タイトルのない話

meimei

1話

 ガタン、ゴトン、ガタン、ゴトン、ガタン、ゴトン


「ん・・・・」私はその音で目を覚ました。


 電車の座席特有の心地よさにやられてしまったせいか私は眠っていたらしい。


 車窓から夕焼けが差し込む、眩しさと同時に美しさに目を奪われる。


 車内には私以外には誰一人としていない空間となっている。


 しばしの間、沈黙が訪れる。


 この電車はどこへ向かっているのだろう・・・・・


 なぜ、私は電車に乗っているのだろう・・・・・


 なぜ、私は眠っていたのだろう・・・・・


 私の名前は・・・・・?


 眠っていた以前の記憶がなく、何一つ思い出せない。


「何も・・・・・思い出せない・・・・・」


 ガタン、ゴトン、ガタン、ゴトン、ガタン、ゴトン


 疑問ばかりが浮かぶ最中、走行音がその場を支配していた。


 その時、ピリリリリリンと甲高い音が鳴り始めた。


 私は驚きながらも音の正体を探る。


 鳴動音の正体は私が座っている真上の荷物置き場からだった。


 私は座席から立ち上がって真上の荷物置き場を見つめる。


 そこには、黒色をした機器が発光と同時に鳴動をしていた。


 私は、それをつかみ取り感覚的に操作し、自分の耳元にあてる。


「もしもし・・・?」


 と一言。その数秒後に。


「あなたの名前は?」


 無機質な声で返答が来る。


「私の・・・名前・・・」


 自分の名前を聞かれ、戸惑っていると。




「片倉倉莉」





「あなたの名前よ。覚えておきなさい。」


 そう言い残して、音声が途絶えた。


「片倉・・・倉莉・・・」


 声の主曰く、それが私の名前らしい。


 その名前を聞いた瞬間、妙な違和感を感じた。


 疑問とは違った、他の何か。


 頭の中にモヤがかかる感覚。


 違和感の正体はとりあえず、置いておき。


 先の声の主は一体何者なのだろう。


 声の主はまるで、私が自分の名前を知らないことを


 知っていたかのように聞いてきた。


 もう一度、手に握りしめていた黒い物体を見つめるが、

 事切れガタン、ゴトン、ガタン、ゴトン、ガタン、ゴトン


「ん・・・・」私はその音で目を覚ました。


 電車の座席特有の心地よさにやられてしまったせいか私は眠っていたらしい。


 車窓から夕焼けが差し込む、眩しさと同時に美しさに目を奪われる。


 車内には私以外には誰一人としていない空間となっている。


 しばしの間、沈黙が訪れる。


 この電車はどこへ向かっているのだろう・・・・・


 なぜ、私は電車に乗っているのだろう・・・・・


 なぜ、私は眠っていたのだろう・・・・・


 私の名前は・・・・・?


 眠っていた以前の記憶がなく、何一つ思い出せない。


「何も・・・・・思い出せない・・・・・」


 ガタン、ゴトン、ガタン、ゴトン、ガタン、ゴトン


 疑問ばかりが浮かぶ最中、走行音がその場を支配していた。


 その時、ピリリリリリンと甲高い音が鳴り始めた。


 私は驚きながらも音の正体を探る。


 鳴動音の正体は私が座っている真上の荷物置き場からだった。


 私は座席から立ち上がって真上の荷物置き場を見つめる。


 そこには、黒色をした機器が発光と同時に鳴動をしていた。


 私は、それをつかみ取り感覚的に操作し、自分の耳元にあてる。


「もしもし・・・?」


 と一言。その数秒後に。


「あなたの名前は?」


 無機質な声で返答が来る。


「私の・・・名前・・・」


 自分の名前を聞かれ、戸惑っていると。




「片倉倉莉」





「あなたの名前よ。覚えておきなさい。」


 そう言い残して、音声が途絶えた。


「片倉・・・倉莉・・・」


 声の主曰く、それが私の名前らしい。


 その名前を聞いた瞬間、妙な違和感を感じた。


 疑問とは違った、他の何か。


 頭の中にモヤがかかる感覚。


 違和感の正体はとりあえず、置いておき。


 先の声の主は一体何者なのだろう。


 声の主はまるで、私が自分の名前を知らないことを


 知っていたかのように聞いてきた。


 もう一度、手に握りしめていた黒い物体を見つめるが


 それ以降、鳴動することがなかったため、元の場所へ戻した。


 そして、車窓から映り込む景色を見つめる。


 暗い影のようなもので覆われている。といえばいいのだろうか。


 暗い影のようなものが、家などの建物から地形までもを形作っており、


 それに夕焼けが合わさることで異様で不気味な世界が映し出されていた。


 記憶がない私でもそれが異様であることぐらいは解る。



 これからどうすればよいのだろうか。



 走行し続ける車内を目で追ってみるが、特に変わった点はない。


 他の車両へ移動を試みるか、それともこの場で留まり続けるか。


 吊革に掴まりながら考えているうちに後ろから勢いよく物音がした。


 後ろの車両のドアが開いた音であった。


 開いたドアは、暗い深淵が続いており先が見えない状態。


 非常に危険で異常であると解っているにも関わらず私はドアへ1歩ずつ近づく。


 何かに導かれるかの如く私はドアをくぐった。

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タイトルのない話 meimei @nanomeimei

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