暦の上では

@afrokaneko

第1話

「精神的に向上心のないものは馬鹿だ」

そんな風に気取ってみたって、何一つ大人になれない自分が今も此処に居る。

悲しくなんかないのに憂いてみたり、寂しくもないのにそんなスタンスを楽しんでみたり。

誰かに認めてもらいたくて、褒められたくて、自分を偽ってなんとか生きてきた。

感情が昂る。

この気持ちになんと名前を付けよう。

倖せになることはきっとそんなに難しいことじゃなくて、その傍受に難癖を付けては回避する。

誰も傷つけない、自分も傷つかない、そんな優しい歌を聴いていたかった。

最愛の友人を失って、初めて告白する。


冬は、過ぎたんだ。

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