第19話 わらしべ長者

 貧乏なマッチョが石段から転げ落ちます。

 ouchアウチ!

 転んだ拍子に脂ぎった手にワラがネトッとくっ付きます。

 納豆に使われていたのでし軽くネバつきます。

 右手に左手ギトッとネバッとくっ付いて離れません。


 道端の木に擦りつけてワラを剥がしていると、うっかり蜂の巣を落としてしまいます。

 oopsウップス!

 蜂納豆臭いマッチョを避けて、子供に襲いかかります。


 Ahaaaaaa……。

 慌てて、蜂を振り払います。

 ギトッとした手に蜂がベチョッと張り付きます。


 子供の母親が駆け寄って、マッチョにお礼にとミカンをくれました。

 ベチョッと手にのせられたミカン…ヌルンと滑って皮がむけないミカン。

 どうして食べたものかと考えて首を傾げます。

 カラン…カランと隙間の多いHEADでBRAINが転がります。


 通りかかった旅人が、喉が渇いたんで、そのミカンをくれと言われます。

 ベチョッとしたミカンを差し出すと、旅人はネチョッと食べ、お礼にと、売り物の蛍光のきわどい、みかん色のビキニを1枚くれました。


 ミカン色のビキニを指でヌルヌル回していると…馬に乗ってミスターユニバースに出場する選手に声を掛けられました。

「すまん!そのビキニをくれないか?ビキニを忘れて困っているんだ」


 マッチョはビキニを快く渡しました。

「すまない…私は、このまま外国で勝負していく…その身体を見込んで頼みがある。私のジムの面倒をみてくれ」


 こうしてマッチョは、ジムのオーナーとなり、末永く幸せに暮らしましたとさ。

 今もそのジムは、金色ジムとしてマッチョの量産に貢献しております。(ウソ)。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る