第13話 かぐや姫

 お爺さんが竹藪で筋トレ中。

 夢中になりすぎて、あたりは暗くなっていた。

 ササミを食べながら帰る途中で光る竹を見つけます。

「チェスト―!」

 手刀で竹を横一線。

 中から小判とギリギリで手刀を免れた小さな、小さな女の子が……。


 爺さんのもとで、プロテインのミルクを与えられ、ステロイドを塗られ、盛られ、日サロとジム通いの日々…ムキムキと育つ筋肉。

 家具屋の看板娘『家具屋姫』と呼ばれ、コンテストで優勝総なめのマッスルクィーンとなりました。

 そのマッスルに様々なマッスル自慢達が繁殖を申し込みますが、首の筋肉が発達しすぎて縦に動きません。

 お爺さんは、優秀なマッスル達を選び、課題を与えました。

 各コンテストに出場し優勝しその証を差し出しなさい。


 しかしワールドマッスル達には及ばず敗退するものばかり……。


 いつしか家具屋姫は月を見ては泣く様になりました。

 首が動かないのでゴロンと寝転んで月を眺める家具屋姫

「どうしたんだい…」

 お爺さんが話しかけると

「ワタシ ハ ツキ ニ カエラナケレバ ナ~リマセ~ン」


 お爺さんは姫がステロイドを打ち過ぎたのかと思いました。


 ステロイドのせいで、うっすらと生えた髭に月明かりがキラキラと照らされ、ヌラヌラとした褐色の肌に光る蛍光ピンクのビキニ。

 間接を圧迫する筋肉でぎこちなく立ち上がる家具屋姫の姿。

 月をバックにモストマスキュラーを決める家具屋姫。

「キレてる!キレてる!よ姫」

 涙で姫が良く見えません。


「Good Bye」

 家具屋姫は月から Say Ho Say Ho と表れたマッスル達に囲まれて月へ還って行きました。

 月のマッスル達が、お礼にと大量のプロテインを置いて行きました……。



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