桃とガラスとお見舞いの籠
@Evol-00
序
僕らは生まれたとき一冊の本を与えられる
僕らの世界、生きる意味、運命、それらすべてが記された戯曲
『運命の書』
全智の存在、ストーリーテラーが記述したその『運命の書』に従い、
僕たちは生まれてから死ぬまで、『運命の書』に記された役を演じ続ける
それがこの世界の人々の生き方
だからさ、教えて欲しいんだ
空白の頁しかない『運命の書』を与えられた人間は、
いったいどんな運命を演じて生きていけばいいのだろう?
これは繰り返し読まれた絵本の物語…
でも、考えて欲しい。
最後には幸せになる事を約束されているが、虐げられ続けられる少女の気持ちを…
村人たちの期待を受け、望まぬかも知れぬ戦いを義務付けられた少年の気持ちを…
人々への教訓の為、死の定めの森に入る少女の気持ちを…
でも、考えて欲しい。
本当に少女の家族は虐げる事を良しとしていたのかを…
本当に少年は戦うしかなかったのかを…
本当に少女の母は娘を死の定めを受け入れて送り出していたのかを…
どうか考えて欲しい。
『運命の書』に書かれている事が本当に正しいのかを…
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