獅子と兎

@rh916

呼び集められた兎たち

「おい!起きろ!至急でかけてもらう!」

いったい何事かとおもった。監視の警察官が檻の鍵を開けた。何が起きたのか分からないまま、神天玄武(かみそら げんぶ)は檻の外へ出た。すると出たすぐのところに同じ囚人の風波徹(かざなみ とおる)、錦 克也(にしき かつや)が立っていた。

「おい!克也!徹!一体これは?」

慌てながら二人に聞いた。

「俺もわからん」

「全くこんな遅くに!胸くそわりぃ!」

徹と克也が答えた。徹は至って冷静だが克也はイライラしているようであった。玄武たちはそれぞれ罪を犯してここにいる。徹は殺人、克也は喧嘩による殺人未遂、そして玄武は窃盗とそれぞれの罪を償いにきたのだ。三人で刑務所の広場に行く。

「なんだありゃー!?」

三人口をそろえて言った。その先にはこれまでに見たことがあろうか大型の凹凸の激しい車?が停まっていた。

「さぁ、囚人ども!のりたまえ!」

何か分からないまま三人も乗り込んだ。

「いったいどこに行くんだ?」

克也が呟いた。他の囚人達も動揺を隠せずにいた。三十分ほどで目的地についたようだ。バスから降りるとそこには草原が一面に広がっていた。

「ようこそ諸君!君たちを待っていたぞ!」

1人の警察服の中年の男がスピーカーで告げた。





彼らはまだ知らない。

これから始まる―

命を懸けた、"獅子と兎"のサバイバルデスゲームが始ることを―

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