第5話 入門者にお薦めスタイル

 実際にセッションをやることになったけど、どうやってやれば良いか分からない。 そんな入門者の方への、基本的なアドバイスをお話します。


★人の話は良く聞こう

 コミュニケーションゲームであるTRPGに取って、人の話を聞かないのは致命的です。 特に、GMの話は重要な箇所がたくさんあったりしますので、 出来るだけ聞き逃さないようにしましょう。もちろん、PLの言葉も重要です。 人の話をまったく聞かずに他事をしていたり、 他のPLとの無関係なお喋りに夢中になっているようでは、 セッションに参加しているとは言えません。


★できそうだな…と思ったら、積極的に発言してみよう

 初心者の方は、最初はロールどころか、発言すらできないこともあると思います。 ですが、この遊びは「トークする」ことによって物語が紡がれる遊びです。 ですので、序盤は無理でも、「これなら自分でもできそうだな…」 と思った時点で、無理の無い範囲で発言してみて下さい。 発言しないことは、TRPGの世界では「非常にもったいない」ことです。 発言することにより、そのキャラの個性が生まれ、世界に干渉し、物語が紡がれるのです。 発言しない、いわゆる「地蔵PL」も決して悪いとは言い切れないのですが (中には、みんなの発言やロールを見て十分に楽しむ人も居ますから)、 せめて自分にとって重要なシーンや、発言しないと悪い方向に進んでしまう場合、 黙っていたら結果的に他PLに迷惑がかかってしまうような場合は、発言した方が良いと思います。


★認識のズレを感じたら、質問しよう

 TRPGはリアルタイムで進んでいくゲームです。発言していくうちに、 PL間やGM間の中で認識のズレや誤解が生まれることは度々あります。 自分の中で「あれ? ここはこういうことじゃなかったのかな?」と少しでも思ったら、 積極的に質問してみましょう。 疑問を持ったまま解決せずにシナリオが進行してしまうと、 思わぬ時に致命的な失敗をしてしまいがちです。 もちろん限度はありますが、自然に疑問に思ったことは、解決しておくに越したことはありません。


★初めてのロールは良く分からないもの。まずは等身大のキャラにしてみよう

 「やった、ロール大好きだからめいっぱい演じられるぞ!!」と、ここぞとばかりに、 キャラにものすごく設定を入れてしまうのですが、実際に演じてみるとなかなかうまくいかず、 せっかくの設定の9割が尻切れトンボに終わってしまった…という初心者さんをよく見かけます。


 ロールが大好き、結構です。むしろ、TRPGプレイヤーの期待のルーキーですね。ですが、ちょっと待って下さい。そんなにたくさんの設定を実際に演じられますか?  よほど演じ慣れた役者さんでも無い限り、いきなりロールするのは思ったよりも大変なのです。 ですので、初心者の方は、自分にとって等身大のキャラを作ってみることをお薦めします。最低でも性別、性格が自分と同じであれば、割とすんなりとプレイできるでしょう。慣れてきたら、少しずつ設定を付け加えてみて下さい。


★根本的にやり方が良く分からない場合は、まず先輩PLを見て学ぼう

 どうにもよく分からない。そんな時は、周りの先輩PLをじっと観察して、 良い所をどんどん盗んでいって下さい。特に、GMへの情報の聞き出し方、 他PLとの絡み方、ロールの仕方、トラブルが起こった際の対処の仕方は、 学ぶべき点が多くあると思います。


★事前にシステムの予習はしておこう

 シナリオを手元に持っている場合は、事前の予習も大切です。 判定の仕方やダイスの振り方を学ぶことも大切ですが、 世界観やPCに求められる姿・目的なども学んでおくと、 実際にセッションを行った際の理解度が全く違ってきます。


★感情的になる前に、まずはひと呼吸置こう

 話し合ってセッションを行うため、時には感情がぶつかることもままあります。 ですが、そのまま感情に任せてしまっては、セッション崩壊を招きますし、 その後の相手PLとの付き合いが気まずくなってしまいます。 ですので、「あ、ちょっとカチンと来ちゃったな」と思ったら、 まずひと呼吸起きましょう。そして、頭をゆっくりとクールダウンして下さい。 現状や、お互いの言動を冷静に考えれば、理性的に解決策を考えることもできます。


 怒りの感情は特に、TRPGに置いてはコントロールを求められるでしょう。 また基本的に、セッション中の議論は停滞を招くのであまり良くありません。 その場合はGMの裁量に委ね、議論はセッション後に持っていくことがベターだと思われます。


 TRPGというよりは、コミュニケーションの基本的なマナーに近い内容でしたね。 次回は、逆に気をつけたほうが良いプレイをご紹介したいと思います。

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