第287話 乱立するフラグ




フラグとか前フリとか





ダークエルフと戦う事なんてない。

そうありえない。


そう俺はリアリストだから、迷信めいた事は全く信じていない。


だが、実際、『実は占いとか気になっちゃう性格』なのは内緒だ。

いやむしろだからこそ、迷信とか信じないしと言い続けているのかもしれない。



夕刻のミストクラノス




「フラグ!フラグ!」




ミラは戦う気満々だ。


気にし過ぎると何もかもが前兆に思えてくる。

そういえば今日は心なしか、黒猫を見かける事が多い気がする。

(気にし過ぎ、気にし過ぎ・・・)



街頭に座っているローベルさんが突然声を上げる。




「ウツロさん!・・・あなた・・・『耳の長い奴と戦う相』が出ていますねぇ」




この人、なんで急に 占い師 っぽいこと言い出してんの?




翌日、エレノールさんから緊急の仕事が入る。




『例のダークエルフが北の方に進路を取ったとのことです。討伐部隊の援護に回って下さい』



*****************


エレノール:まぁ、ダークエルフと直接戦闘になることは『万が一にも』ないと思われますが


*****************





だぁあああああ!!!






なんだこれ、なんだこれ

もうみんなが寄ってたかって戦うように仕向けているように思えてきた。


あと、横に居るミラの

「ほら私の言った通りでしょ?」みたいな 『どや顔』 が腹立つ。







$$$








ダークエルフ討伐部隊『エリリート隊』


魔法学校エリートで構成され

魔法の技巧に特に優れた隊であるらしい。



「私達が派遣された理由はひとつだ。私達の卓越した魔法技術がエルフに勝ると判断されたからに他ならない!!」



エリリート隊長を含めた隊員たちの士気は高い。




「エレナのヘルプか、せっかく来てもらって悪いが『万が一にも』お前たちの出番はないから安心しろ」




「・・・」


(大丈夫大丈夫)

既に疑心暗鬼になりつつある精神をなんとか整える。





「あー爆弾ミラ!!」

「絶対、魔法使うなよ!また大怪我させられたらかなわないからな!!」




エリリート隊の隊員の何名かはミラとも面識があるようだ。

というか昔、ここに派遣されていて、数日で追放されたらしいが



(特に理由もなくパーティを追放された私!)



それは流石に逆恨みだろ?




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