第277話 寒い日、ベットの中も冷たい その2




ウツロの行商人時代





西の国は比較的暖かい気候だけれども

高地は夜間寒かった。


寒さをしのぐために団員同士くっ付いて寝るわけなのだが

必然的に野郎同士で眠らなければならなかった。



「なんで男同士でくっついて眠らなきゃなんねーんだよ!」



「どんな拷問だよ」



「ふざけんな!」



「・・・もう黙れ、聞いてて虚しくなる」




という思い出






$$$







魔法協会北支部男子寮





ウツロはベットの中に潜り込む。


寒いな・・・


いくら着込んでもベットの中は冷たく

温まるのに時間がかかる。


ふと行商団時代の思い出が頭をよぎる、地獄だったが

まぁあれはあれで楽しかったような気もした、きっと美化されているだけだろうけど




「・・・」




「ウツロ先輩・・・ウツロ先輩・・・」




微かな甘い声

この声ミラか?

いや、こんな場所に居るはずが



「聞いてます?」



どわッ!




ミラがベット中から顔を出した。



「なんでこんな所に居るんだよ」





なんでって・・・寒いからに決まってるじゃあないですか






「最近ケーリーったら、私がベットに潜り込むと、電撃かましてくるんですよ、ひどいと思いません?」


その後語り出すミラ

なんでもケーリーさんのベットに潜り込んだら、

たたき出され、その足でここまで来たらしい。




「下着とキャミで来ました、当然コートの下にですが」


(痴女・・・)







「ふふ、温かさはアレクに劣りますが、そのゴツゴツした体、私の性欲的にマルです



(・・・ん、今不純な単語言わなかった?)





なんだがそわそわするな





ふー





!?



「ふふ、くすぐったいですか?」




緊張してきた。

これってこにょこにょな事になるんだろうか





ミラは目をつぶっている

(寝てるのか?)




ふー




俺もアホな期待してないで寝るか







$$$









キッス多分来る


目をつぶらなきゃ!





・・・





ん?




ウツロ先輩寝てる




むー




まぁいいですよ



ミラはウツロの体に身を寄せて寝ることにした。




(・・・キスぐらいしても・・・バレないかも・・・ぐへへ)




・・・



ドッドッ・・・



ドキドキしてきた、やっぱ無理ぃ・・・




ミラは頬が熱く火照って、しばらく寝付けそうになかった。




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