第273話 シェトリ×ミラ、ファーストコンタクト





私の名前はシェトリ=マディーン一応魔法協会の魔女である。






魔力ゼロなのは・・・秘密・・・

でもないが、公然と喋ってはいない。



『ぷらいべーと』という謎の気遣いをするように言われているし

魔力で差別するのは『まりょハラ』になるらしい。

(意味はよくわからない)



今日は意気揚々と魔法協会本部の廊下を歩く。




最近、強い魔獣を仕留めて、

隊長から褒められて機嫌が良かった。



魔力がなくたって、私はデキる子だ。

そんな自信がみなぎっていた。



だが、そんな淡い希望は、廊下の向かいから歩いてくる『ひとりの人物』によって儚くも砕かれる。





!?





遠い場所から歩いてくるひとりの女性に私の体は硬直する。


確かあの人『ミラージュ先輩』


多属性を使いこなすピーキーな魔女、彼女が魔法を使うと敵よりも味方の被害の方が甚大になる破壊神のような女



なんだ・・・この魔力・・・



なんという圧力

体が重い

息を吸うのも苦しい


ハァ・・・ハァ・・・


汗がぽたぽたと落ちて止まらない。



膝がガクガク笑っている。

立っていることができず、地面に膝をついて、こうべを垂れる。


ヤバい。

すれ違っただけで土下座するとか・・・おかしい子だと思われる。



足音がこちらに近づく。




ヤバい、ヤバい、ヤバい




どうすればいい?

どうすることが正しい?

判断を誤れば、多分無事では済まない・・・



絞るように言葉を発する。




「私を・・・た・・・食べないで下さい」



「食べないけど!?」



ミラは困惑した。





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