第274話 『モブ厳感覚』を持つ男
魔法協会員モーブ=オーディナリーの特殊能力
子供ながら
自分が目立たない普通の一般人だと気づくのに
そんなに時間はかからなかった。
ただのモブ
それがこの俺モーブ=オーディナリーの生きる意味だ。
ただ主人公の周りの背景として日々を過ごす。
だが、
そんな俺にも役目がある。
モブ厳だ。
未知の災害、未知の魔獣、未知の事件に対して
真っ先に犠牲になり、敵の脅威を強調したり、主人公の活躍に花を添える・・・
そんな役割があるのだ。
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魔法協会、採用最終面接
アクアローナは面接官として椅子に座っていた。
次の人は・・・
モーブ=オーディナリー君と・・・
ガチガチに緊張している彼に質問を投げかける。
「何か特技はありますか?」
「あの、『変に思われる特技』かもしれませんが・・・」
「はい、構いませんよ」
「俺には・・・俺には・・・『モブ厳感覚』があるんです!」
・・・?
モブ・・・何だって?
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モブ厳感覚とは、
未知の災害、未知の魔獣、未知の事件・・・
彼が『モブ厳』と呼ぶ事象の直前に
それが起こる映像が頭の中にリフレインする事らしい
(あ、今日モブ厳くるわ)
という感じで分かるそうだ。
「それって・・・予知能力なのでは?」
予知能力など実在するのかわからないほどに眉唾な希少能力ですけれど
「そんな便利な物じゃありませんッ」
発動したら必ず大怪我するんスよ、モブ厳されるんですよ
・・・
しばしの沈黙で我に帰る。
しまった・・・
つい叫んでしまった・・・恥ずかしい。
というか失礼過ぎる・・・この面接は不合格かもしれない。
最期に、
にっこりとほほ笑んだアクアローナ様の笑顔を図りかねていた・・・
が
後日届けられた手紙には『採用』と書かれていた。
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