第248話 アクアローナ様は魔法学校へ通いたい




不登校だったスフィール=アウディーネが

魔法学校に通い始めた頃の話





その頃の私は

アクアローナ叔母・・・じゃなくてお姉さまの事を

かなり見直していた。



多少悪評はあれど、

彼女は魔法協会の七賢人で国を救った英雄

そんな素晴らしい人の血縁者である自分が誇らしく思えた。



そういえば、アクアローナお姉さま・・・

昨日は熱心に『偽装魔法』の練習をしていたな・・・

水魔法で光を屈折させたり、反射させたりして視覚情報を誤認させる高等魔術

きっとこれも『世の中の役に立つこと』を考えているに違いない。



魔法学校朝のHR

担任の先生と青い髪の同世代の少女が教室に入ってくる。




「今日は転校生を紹介する」




「ローナ=アロナと申します」






!?






「初めてで、わからないことだらけなので、色々教えてくださいね」




あれ・・・




上手に偽装魔法を使っているけれど


いやいや、まさか・・・



あれは・・・

魔法協会トップの

国を救った英雄の

尊敬する人物の・・・



私の叔母だった。




上品に私の横に座る転校生

私の冷や汗がすごい。



「・・・」



「大丈夫ですか、凄い汗・・・あれ、わたし何かやっちゃいましたか?」



(とんでもねーこと、やっちゃってますわッ)







$$$








演習場での魔法の実習授業




凄い威力の水魔法を連発して周囲を驚かせるローナちゃん



「すごい」

「なんだあの子」

「もはや学生のレベルを超えている!」




・・・




そんな時、事件が起こる。




「みんな逃げろ」




「また、アレクールの魔法が暴走したぞ」

「またかよ!!」


「うわあああ」

「うわあ」


演習場に降り注ぐ、火の雨




たぁ!




広範囲の水障壁で軽々それをガードするローナちゃん



「助かった・・・」


「炎上魔女の暴発をガードするなんて・・・」


「魔法協会の上級魔女並みの魔法だ・・・」




・・・




「そんな~私ナンテ~まだまだですよ~・・・」


実は私、七賢人なんですけどね




可愛らしく、畏まるローナちゃん



スフィールは

皆の賞賛する姿を・・・

乾いた笑みを浮かべて傍観していた。




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