第228話【星屑祀編】一緒にいきませんか?
星屑祀について
星屑祀とは、
近隣の山脈でひときわ大きい霊峰ガノトトス
夏の終り頃、その山は魔力の磁気を帯びて
空に浮かぶ石などを引き寄せる。
この街から夜に見るその姿は、七色に輝いて、さも幻想的なのだとか
毎年起こるその現象に合わせて
土着神様を崇める祀りがおごそかに開かれるのが『星屑祀』と呼ばれる行事であり、ミストクラノスだけでなく近隣の都市からも多数の人が訪れる。
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次の日、朝
ケーリーは、定刻に目が醒める。
「別にウツロ先輩の事なんて好きじゃないんだから、勘違いしないでよねッ」
ミラは・・・
今朝は、訳の分からない呪文を唱える練習をしていた。
「・・・」
「・・・」
ミラ「あー、駄目だ・・・ケーリーみたいに しっくりこないッ」
ケーリー(え・・・それ、私ならしっくりくるの?)
・・・
「星屑祀?」
「ええ、ウツロさんを誘えばいいんじゃないかしら」
一応、ミストクラノス男女の定番イベントだし
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歩く、歩く
ウツロとミラは任務からの帰りだった。
ミラは口数少なく縮こまっている。
(うう、ここまで何度かチャンスがあったのに逃してしまった・・・)
がふ
前を歩くウツロ先輩にぶつかる。
「あの、すいません」
触れる大きな背中
振り向くウツロ先輩・・・
(やっぱり・・・か・・・かっこいいなぁ・・・)
ミラは蒸気したふやけ顔でウツロを見上げる。
「おい、ぼーっとするなよ、この辺りは、突然魔獣に遭遇することもあるんだからな」
当然、ウツロの注意など耳に入らない。
「あの・・・ウツロ先輩!・・・」
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星屑祀?・・・なんだそれ、全く知らん
ミストクラノスで毎年開かれる有名なイベントって
なんで俺知らないんだよ。
魔法の書のログを辿る。
去年の今頃・・・と
ああ、仕事だったな・・・辺境の奥地でソロ任務だった。
・・・イベント時に仕事してる悲しい労働者
俺は出不精だが、
イベントとかは嫌いじゃない。
ただ、一回見れば飽きるだろうけど
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