黄昏時
黄昏時には誰かがいなくなる。
太陽がその光を収縮させるとき、太陽が現し世から消えるとき、一緒に誰かを連れて行ってしまうからだ。
もし黄昏の裏側に連れ去られてしまったら、その人はもうこの世界には戻ってこれない。いくら黄昏時が美しいとしてもその先は暗闇だから。
だから夕方に人と別れるときは、必ず名前を呼んであげて。
大きな声で、はっきりと名前を呼んで。
そうやってその人を現し世に色濃く刻んでおけば、黄昏がその人を隠すことはできないから。
夕日だって大人しく、裏の世界に帰っていくから。
だからその人が大切な人なら、どこにも行って欲しくないという願いを込めてその人の名前を呼んであげて。
黄昏にその人を奪われないで。
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