私のじゃない色
いつからだろう。私たちの関係は冷め切ってしまった。
家に遊びに行っても彼はゲームをしていてあまりおしゃべりしない。
料理を作るといっても、外で済ませてくるからいいと言われてしまう。
以前は冗談っぽく『一緒にお風呂入ろう』とか言ってたのに、今ではさっさと一人で入ってしまう。
だから私は彼がお風呂に入っている間に、彼の飼っている黒猫に聞いてみた。
「最近あなたのご主人様は、私以外の女の人を家に連れてきてるんじゃない?」
その質問に『そんなことはないよ。今でもご主人様は君のことが大好きさ』と言うような顔で「にゃー」と鳴く猫。
「やっぱり黒猫は嘘つきね」
私のじゃない長い茶色の髪の毛をゴミ箱に捨てながらそう言った。
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