アンクレット
王子様が助けに来てくれました。
魔王を恐れず、死も恐れず私の元に来てくれたのです。
しかし私は城に帰ることができません。
私はここに残って魔王の力を封じていなければなりません。
そのために私は魔王に囚われたのですから。
残念ながら魔王は王子様よりも強いですし、それに王子様に魔王と戦うなどという危険な事をして欲しくはありません。
どうか城に帰って私の無事を両親に伝えてください。
もし願いを叶えてくださるのなら一つだけ。
あの晩餐会の夜に王子様と踊れなかったダンスの続きを。
音楽は無いけれど、足に付けられた鎖がアンクレットのように輝き、地面を打って調べを奏でてくれるでしょう。
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