秘めた恋が実る頃には

神無月繭

第1章1話・中2 1月30日(火)

1月30日(火) 記入者:宮河


今日もクラスはいつも通りでした。

ああでも、昨日冷えたからなのか、風邪気味の人が多かった気もします。

これだけ寒いなら仕方ないですよね。

なのに体育は薄着でさせるの、本当に意味わからないです。


先生も今日、体調が悪そうでしたね。

生きてます? 大変そうでしたけど……。

がんばりすぎないでくださいね。

スーツ、無理して着なくても良いと思います。

きくずしてる先生なんて沢山いるじゃないですか。





そこまで書いて、シャーペンを置いた。

消しゴムを持ち、日誌の後半を消そうとして、でも消すのをやめる。

変じゃない。きっと、次の当番の人も読まないだろうし、これを読むのは先生だ。

気づいてくれるだろうけど、きっと先生は何も応えてくれないと分かっている。

(……バカだなあ……)


下校時間が過ぎ、それぞれ部活に向かいガランとした教室で、私は暗くて厚い雲が広がっている冬空を見た。

この厚い雲に覆われるように。

私の初恋が実る事は、絶対にないんだろう。



私は去年--中1の時に、笹川先生に恋をした。




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