第338話 バックナンバーで九尾なのじゃ
毎週コンビニでジャ○プを立ち読みしている俺。
だが、ヤングな方は手つかず。今の今までノータッチであった。
ちょいちょい面白い漫画がやっているのは知っているし、アニメ化とか書店でディスプレイされてるの見て、興味がある作品は何作かあった。
先週(?)ネタにしたゴールデ○カムイとか。
東京○ールとか。
パー○ル式部とか。
そんでまぁ、ゴールデ○カムイをネタにしたことだし、115話がどんな流れであぁなったのか気になったこともあり、電子書籍でまとめ買いすることにした。
無駄遣いだなぁとは思ったが……たまにはいいだろう。
一応、加代さんに買いたいのですがどうでしょうかと聞いたところ、キング○ム全巻揃えるとか言い出したら張り倒すけど、ゴールデン○ムイなら許す――と快諾してくれた。
まぁ、キング○ムは巻数多いからなぁ。
貧乏になる前に買いそろえて置いて良かったぁ。
まぁそれはさておき。
「……ウォアーッ!! ウォッ!! オァーッ!!」
「なんでこんな気になる所で終わってるのじゃ!! 第一部完的なタイミングで単行本が終わるとかほんとやめて欲しいのじゃぁ!!!」
俺と加代さんはお互いのスマホで電子書籍を読みつつ絶叫した。
アカウント共有。
電子書籍だと、二人で一緒に漫画を読み進められるから便利よね。
まぁ、紙の本を二人で共有しながら読むのも恋人っぽくていいけど。
それはともかく。
「続き、続きどうなるのじゃ!?」
「こんなもん蛇の生殺しじゃねえか!! アシ○パさんでなくても悶絶だわ!!」
「本物ののっぺらぼうとはいったい何者なのじゃ――フォクシー!! ゴールデン○ムイ、最新話、感想!!」
「馬鹿加代さん!! なにそんな検索してるの!! それは反則よ!!」
コンビニで立ち読みするのはともかく、ネットの感想ブログで展開を調べるのはゲスのやる行為である。
真に原作のファンであるならば、ちゃんと買って読むべきだ。
気持ちは分からないでもない。
だが文字だけじゃ伝わらない部分が漫画にはあるでしょう。
「とにかく音声検索キャンセル!! 男だったら続きは漫画で読もう!!」
「のじゃ、
「だまらっしゃい!! という訳で――行くぞ加代さん!!」
「行くって何処へ?」
決まっているだろう。
金塊――もといヤング○ャンプのバックナンバーを求めて。
俺たちは北海道――もといネットカフェへ向かったのであった。
「「バーニャ!!」」
◇ ◇ ◇ ◇
「いやぁ、未単行本化の分が載っているかと思ってやって来たけれど」
「意外と置いてある冊数が少ないのじゃ」
「まぁ、そんな何冊も置いておくもんじゃないよなぁ」
「なんかあの後、スギ〇トたちがバラバラになったのは分かるのじゃが、なんでバラバラになっちゃったのか――肝心の網走監獄の話がすっぽ抜けてて拍子抜けなのじゃぁ」
カップルシートに陣取って、そんなことを話す俺と加代。
そう、せっかくネットカフェにやって来たのに、そこに置いてある雑誌のバックナンバーは、すっぽりと、ちょうど俺たちが知りたい話が抜けている状況だった。
ぐぬぬと、唸り声しか出てこない俺と加代。
せっかくオープンシートではなく、カップルシートを取ってまったりと読書にいそしもうと思ったのに、あんまりである。
「のじゃぁ。やっぱりこまめにチェックしておかないとダメじゃのう」
「くっそ、ここまで面白いとは正直予想外。どうしよう、なんとかならんかね?」
「……国会図書館にワンチャン行ってみるのじゃ?」
「お前、天才かよ」
とはいえ、もう既に休日の正午は過ぎている。
大阪の分館に行くにしても、東京の本館に行くにしても、とてもじゃないが時間が足りない。そして、雑誌の類を国会図書館が集めているのかも分からない。
そのために、わざわざ高い移動費を払えるか。
近くのラーメン屋にでも入って、バックナンバー探した方が確実ではないのか。
迫られる選択――!!
そのとき、狐的発想が頭に去来――!!
「とりあえず、これだけじゃ元が取れないのじゃ。他にも漫画読むのじゃ」
「あと、アイスクリーム腹壊すくらい食おう」
ネットカフェ。カップルシートでのデートをエンジョイする。
そう決めると、俺と加代はとりあえずペア席を後にしたのだった。
いやー、フラットシートだと、なんかこういちゃいちゃできていいね。
こう、マットな感じがちょっといやらしいというか、大人のデートっぽいっていうか。
ビバ、ネカフェデート。
「「バーニャ!!」」
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