第13話 邁進
そして、わたしは今回の事を手紙にしたため、異世界に送ったのだ。
今までの話は全てこっちの世界での話、野上さんに賛同を得られなければ、一切進むことの出来ない話しなのだから。
そして、釣り竿が引かれ返事が届いた。
「前略、杉浦様。
件の話を拝見しました。
穴に落ちてこちらに来てから、私は良くしてくれる両親に拾われ、独り立ちしてからは猟師として過ごしてきました。
そして、いつしか忘れていましたが、昔はいつもいつもなぜ自分はこの世界に送りつけられたのだろう?
なぜ自分は帰れないんだろうと、嘆きつつも、その意義を探し続けていた気がします。
お手紙を読んだとき、私が日本に生まれ途中からは異世界で育った意味がここにあるのではないか? そんな気がしてなりません。
ですから、私はこのお話は天啓だと感じました、ぜひにとも協力させて頂きたい思います。
私もこちらで過ごし20年近い年月が経ち、心許せる友人や猟師仲間、親族などがおりますので任せて下さい。
それでは、信用できる人たちを説得して参りますので、暫くお時間を頂けたらと思います。
また、前回の品物の代金と鑑定書も同封しておりますのでご確認下さい。
瞬間火おこし機
希少性 5
作り 4
利便性 5
芸術価値2
査定額 金貨1枚
30個で30枚
鑑定書
商品名 近くが見やすくなるアイテム
希少性 4
作り 3
利便性 4
芸術価値2
査定額 金貨2枚
10個で金貨40枚
合計 金貨70枚
ロックロズワード商会」
おおう、老眼鏡は結構な高評価。
ライターは数多く送ったので少し安く買い叩かれたが、それでも黒字。
そしてなによりも、話に賛同してもらったのが一番の成果。
でも、これまでのように失敗してもまぁいいか、では済まない。
お金を借り、人を雇って商売するのだと思うと気が引き締まる想いなのだ。
その後、私は会社に辞表を提出し、引き継ぎ業務に追われながらもちゃん退社できた。
結構有給が残っていたので、その暇を使ってネットショップ運営の勉強と会社の登記の勉強も済ませた。
会社の登記は意外とすんなりと行った。
会社とは作るだけなら簡単、続けるのが難しいのだ、とは誰の言葉だったか?
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