第一章 第二話
少しして。
フラフラと飛んできた虫は、
やがて、
「あ〜、気持ちよかった」
「あとでシャーリーといっしょにまた来よっと」
とは、芳佳の平らな胸だけでは
「サウナも
エイラも満足した様子。
「まったく! どうしてあなた方はしずかに入れないんですの?」
全然落ち着けなかったペリーヌだけは、こめかみをヒクヒクさせている。
そして。
「? ……んっ!」
リーネは
「えっ、何?」
くすぐったいような、それともちょっと
そう。
あの虫である。
何か入ったのか、と指を
それどころか、虫はリーネの指を
「いや〜っ!」
決断を
だが、ちょうど制服下に手をかけたところで、しゃがんでいる芳佳の視線の先に自分のお
「どうしたの?」
と、芳佳。
「!」
反射的にリーネは制服下をグイッと引き上げていた。
虫はさらに危険なゾーンへ!
ペナルティエリアまでもう少しだ!
「ズ、ズボンの中に、何かいるの!」
「あれ、虫だ?」
芳佳はモゾモゾと動くものに気がついてつぶやいた。
「虫!? い、
それまで、肌を
「リーネちゃん!?」
助け起こそうとする芳佳。
「どったの?」
「リーネちゃんのズボンの中に虫が……」
「虫!」
ルッキーニの
「な、何ておぞましい!」
ペリーヌの方は
「はあ? 何だよ、虫ぐらいで
いつの間にリーネのアソコから移動したのだろう?
虫はエイラのストッキングの中へと、深く静かに
「うぐっ! これは!」
未知の感覚を覚えるエイラ。
「エイラさん?」
芳佳は
「ズボンの中に……」
チクチクと、想像するだに
「何かが……」
「き、きっと虫です!」
「虫〜っ!」
「見せて!」
「来るな!」
危険を察知したのか、恥ずかしいのか、
「お、おぞましい」
その
半分引き下ろされたストッキングから、虫が飛び立つ。
「あ、あの虫!」
ルッキーニはそれが、今朝自分が捕まえた虫であることに気がつく。
「ズボンに虫が入るとか、みなさんがだらしないからですわ。しっかり着る時に気をつけていれば……ひぃっ!」
虫は
「いやああああああああああああっ!」
「ペリーヌさんに行った!」
「あたしの虫〜!」
ルッキーニは光る虫の所有権を主張する。
「ち、
ついさっき、だらしがないからだと非難した手前、簡単に虫の
「あああっ! そんな、そこは
これで虫がいなければ、もっとおかしな人である。
「
と、ルッキーニが言ったのは、虫が欲しかったから。
「ペリーヌさん、脱がないと!」
芳佳がそう言うのは、
だが。
「わ、私は平気ですからああああああっ!」
……ある意味、立派である。
* * *
ちょうどその
「ペリーヌにはああ言ったが、久々に入浴するかな」
タオルを
「ん?」
次の
ルッキーニが、ズルッとペリーヌのタイツと
おへそから
そして、あのふっくらとした秘所が坂本の眼前に
「ペリーヌ……?」
「しょ、
凍りつくペリーヌ。
「坂本さん……」
説明に詰まる芳佳。
「……出た!」
そして、虫を追いかけるルッキーニ。
「いやああああああああああっ!」
ペリーヌの悲鳴は、基地中に
プツン。
虫がまた電線に止まり、脱衣場は真っ暗になった。
* * *
「くすん」
ペリーヌはもう立ち直れないと言いたげな表情で、
「まったく、何かと思ったら、たかが虫ぐらいで」
対応に困り果てる坂本。
ペリーヌが泣いているのは虫のせいではなく、坂本の前で
「でもさ、ズボンの中にその虫が入ってさ、モゾモゾってさ……」
あの忘れがたい
「そうですわ!」
立ち上がったペリーヌの
「あの
「あたしの虫だかんね」
ルッキーニはあくまでも、虫を
「よし! 捕まえよう!」
と、みんなを
「ええ〜」
明らかに
* * *
同じ頃。
バルクホルンはバルクホルンで、
「おりゃあああああっ!」
固有
「今だ! ジークフリート線を閉めろ!」
「はいはい」
と、ハルトマンは軽い調子で仕切りを閉じる。
「ふう、まったく」
これでやっとひと息。
「何て一日の始まりだ。それもこれも、お前が部屋を片づけないからだぞ。お
大騒ぎしていたのは、主にバルクホルンひとりだったが。
「……ん?」
二人はようやく、外での大騒ぎに気がついた。
* * *
「あっち行った!」
「こっち!」
「
討伐隊は虫を追いかけ、
「何を騒いでいるんだ!?」
バンッと
「あ、バルクホルンさん……」
芳佳たちは急停止する。
「
説教を始めようとするバルクホルンの背後に、虫が回り込んだ。
「虫が!」
と、ルッキーニ。
「虫がどうしたんだ!? 大体、こんな騒ぎを
キュッとしまったお
「あ〜、
「バルクホルンさん!」
騒ぎ出すルッキーニと芳佳。
「静まれ!」
顔を紅潮させながらも、対処法を思いつくバルクホルン。
「こういう時は冷静に……」
そこに山があるから山に登る。
ならば……。
「こうだ!」
バルクホルンは
「!」
神秘な部分が
「もらった!」
お尻を
エースの名に
だが。
「ぐわっ!」
虫は
「……あ、失敗」
虫は、ブ〜ンとこの場からの
「
「待て〜」
追いかける芳佳たち
バルクホルン、ほったらかしである。
「……お、お前らなあ〜っ!」
バルクホルンは虫の、というか、エッチ虫討伐隊のあとを追った。
* * *
そんな討伐隊の活動を知らず……。
「ふう」
「とりあえず、今日の分は終わったわね」
と、
「そう言えば、
坂本の助言に耳を
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