9/17 『フルネーム』

☆★☆★


 斂侍電志れんじでんし:青みがかった黒の長髪に眼鏡の少年。鋭い目つきでよく怖がられる。超論理思考。


 倉朋愛佳くらともあいか:背中まで伸びた茶の髪に垂れ眉と切れ長の目を持つ少女。一人称はボク。感情の赴くままに生きる。


〈DDCF〉:宇宙戦闘機設計部でその名の通り設計士が集まる部署。室内は広大で、棚と机が雑多に並ぶ研究所風の空間。壁や天井は木目調で、床は靴音を吸収するカーペットが敷き詰められている。部屋の一角、宇宙がよく見える大窓の傍に電志と愛佳の机がある。


☆★☆★


〈DDCF〉は今日も平常運転。

 愛佳が作業の手を止めて話し出した。

「さあ電志、そろそろボクたちのトークショーの時間だ」

 それを受け電志も作業を中断し、応じる。

「ああもうそんな時間か」


「今日の執筆状況は、カクヨムの最新話は全く進んでいないみたいだよ」

「気力を充電してくると言って出かけてきたらしい」

「それなら明日は5話分くらい書けるね」

「流石にそこまでサクサク進みはしないだろう」


「ねね、電志は何でフルネームで呼ぶと怒るの?」

「ファミリーネームを先に呼ぶなら怒らない」

「一応【アイギス】での公用語は英語だから、ファミリーネームは後になっちゃうね」

「俺らは日本式で良いんだよ」

「で、何で怒るのさ」

「せっかく話を逸らしたのに、お前は蛇か」

「スッポンだよ」

「もっとタチが悪いな。だって嫌だろ、家電製品を連想させるなんて」

「もしかして、それでイジメられた? 小学校の時とか」

「……うるせえな。連呼してくる奴がクラスにいたんだよ」

「そうなの? ボクは電志の名前、カッコイイと思うけどなあ」

「えっ……?」

「あ、赤くなった!」

「コノヤロウ……」

「くふふ、今日はボクの勝ちだね! じゃあここら辺で締めようか」

「この借りはいつか返す」

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