第18話 すすり泣き

聖バタイユは夜中にエクスタシーと苦悩でよくすすり泣いていたらしい。


嗚呼、恍惚に踊り狂うラーマクリシュナ。


進退窮まって、煙突から逃げた色事士。


恍惚居士が仕事中に三昧に入る。


普通の生活をしながら悟りを開いた偉人。


暗夜に潜む木々の精霊たちが蠢いている。


力が! 物質が!


聖霊は鳩の姿をして舞い降りる、偉人の上に。


透明な身体には情欲もなく性器もない。


ただ、死ぬだけでよかったのに・・・


自己のみが障壁だったというのに。


他者の望みを見出す人は、私を見出すだろう。


犠牲のみが女神の舌を満たす。


暗黒のカーリー女神への儀式なき儀式。


犠牲なき犠牲。


礼拝なき礼拝。


呼吸のように愛した。


菩薩のように。




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