第14話 睡蓮

青みがかったグリーン


鏡のごとく透き通った水面


桃色の夕日


美の世界は危険だ。


君たちは蓮華のように、無執着であらねばならぬ。


嵐に倒れた彼岸花の哀れさよ。


まどろみ行くまぶたに映った、悲哀のまなざしは、


永遠の色を映している。


君は最後まで君でいて。

それが唯一の約束で、それを破ることが罪だからね。



交尾して死ぬ動物がいる。


きっと性とは死への欲動なのだ。


死を焦がれること。


生に向かう反復運動。

死に向かうエロース


そして欲動



何気ない現実が、嗚咽させるリアリティをあらゆるところに現出させる。


ほら、解放だ。


ほら、無限の地獄だ。


どちらの扉も開いた。


尾骶骨の蛇は、真紅の女神。あなたなのです。


もしかしてわれわれの最高は、幻想なのかもしれない。・・・・

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