第3話 (年は開ける)

平和な年末を過ごし、新しい年がやってくる。


その間にあった出来事といえばいつもの男子メンバーで初詣に行ったことぐらいか。

小日向 雛は年末年始を家族と過ごしたらしい。初詣も家族で行ったともメールには書いてあった。

そして、冬休みは終わり登校日がやってきた。


魔法は武器と同じ扱いであり、街中での行使は正当防衛を除き犯罪である。

感知センサーは設置されてるため魔法力を練った時点で引っ掛かるわけだが。


だが、新年早々検知器のアラームが鳴る。

近くに居たので駆け付けてみると小日向 雛が酔っぱらいらしき人物に絡まれていた。

それを秋月 明日香が対応しているわけだが、酔っぱらいは魔法を使えるらしく魔法を行使しながら絡んでいるようだった。


「魔法を少し分けてくれたっていいだろ。」

「どうせ、悪用するんでしょ。」

「俺をクビにした連中に見返させるだけだ。」

「それを悪用っていうんじゃないの?」

「暴力には使わない。」

「どうだか…」


「こうちゃん!」

と、小日向 雛が気づき小鳥遊 光が合流する。

「お前誰だよお前に用はないからどっかいけ。」

「自分の努力もせず安易な力に頼るようなことをしているからクビにされたのでは。」

「ぬぬぬ…うるさい!さっさと力を寄越せばいいんだ。」


魔法を行使しようとしたタイミングで小鳥遊 光は不審者の両肩に手を乗せる。

「邪魔だ!」

手で小鳥遊 光を殴り飛ばそうとしたが予測済みだったので止める。


「くそっ!」

アッパーの要領で殴りかかってくるが小鳥遊 光はバックステップで回避、そのまま懐に入り込むただのタックルをかました。

盾を展開してあればシールドのチャージ攻撃となるその基本の型を。


相手は吹き飛ばされるが殴るほどのダメージは無い。

助走を付けてるわけでもないので当たり前だが。

「このやろう!」

魔法を行使しようとしたので小鳥遊 光は盾を展開してもう一度タックルを加え、そのまま盾で押さえる。


無効化の盾が接触してるので魔法の発動は無効化できてる上に盾が邪魔となり反撃もできないので詰みである。


ちょうどそのタイミングで警備隊の人が駆けつける。

時間的には2分経ってないぐらいなので、タイミングが遅いのは仕方ないと言えよう。


「ご協力感謝する。」

全体的に与えたダメージは対象への打撲ぐらいなものなので特に何も言われなかった。

物損をしてしまうと過剰防衛具合によってはそれの修理代を支払わなきゃいけない場合もあるので注意が必要である。


現在、小日向 雛に直接接触してくるような不審者はこういう短絡的なやつが多かった。

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盾(アタッカー) @milchi

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