第6話 (大会前日)

大会の会場へはバスに乗って向かうのだが、何者かに襲撃された、なんてこともなく無事大会前日に目的地に到着した。

会場は普段は魔法競技の公式大会などで使われたりする超大型の多目的ホールであり、大会の会場に隣接するように1000人ほど泊まることのできる宿泊施設もある。

前日に会場に付く目的の理由としては魔法の調整や体調管理の意味合いが強い。


「やっとついたんか。」

村山 正輝が言う。

参加者の中では一番乗り気ではないのだろう。モチベーションも低い。

ただし、特別ルール枠は強制参加枠ではあるけれど参加拒否申請書を出す事自体はできる。

なので今回のように1人抜けても成立する場合には受理されることも多い。

しかし、村山 正樹は参加拒否申請を出さなかった。

これは光の魔法特性である宮本 勤には負けたくないと意思があるのだろう。


大会日程は2日に分けて開催され、1日目は午前午後を使って最終予選ラウンド、2日目は午前に決勝ラウンド、午後に特別ルールという形式になっている。


各々が教師から部屋割りを教えて貰い男女別々の2人1部屋で分かれている。

余りが出たところは一人用の部屋に割り振られるのである意味ラッキーではあるが、一ノ瀬魔法学園は男女共ちょうど偶数であった。

部屋に荷物を置いた後は時間まで会場内に設置してある演習場―大会前に選手が魔法の調整や確認によく使われる―で魔法の調整や確認を行うグループと食事をする学園ごとのグループに分かれて、魔法の調整や確認および夕食となる。

その後部屋に付属のシャワー室で汗を流したり自由時間があって、その後就寝。となっている。


小鳥遊 光の同室は村山 正輝である。

「食事は案外悪くなかったなあ。

ほな、先にシャワー使うで。」

と言い村山 正輝はシャワーの準備に取り掛かる。

一ノ瀬学園の時間の割り振りは”魔法調整&確認→夕食”という順であった。

村山 正樹がシャワーに入っている間にメール等をチェックする。

メールは何件か来ていたが大したことではなく、相応の返信だけしておいた。

その後何か起きるということもなく他愛もないことをおしゃべりしたりやり取りしたりして時間を潰し就寝したのだった。

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