どんな君でも

こびと

突然起きた悲劇


ある日、皆で遊んでいた。


その遊びの一環でゲームセンターに行き、チャドとジークがバスケのシュートゲームを、トロイとガブリエラはクレーンゲームをしていて、ライアンとマーサはダンスゲームで対決して、テイラーとシャーペイはチャドとジークを見て応援していた。


僕は小型クレーンゲームをしてて、ケルシーはそれを眺めていた。


僕はゲーム得意だから、すぐに小さな人形が取れた。


可愛らしい、薄い茶色のミニテディベア。


「ジェイソン凄い!」


ケルシーはそれを見て目を輝かせて拍手してくれた。


「これ、ケルシーにあげるよ」


テディベアをケルシーに手渡せば、ケルシーはびっくりして、そして喜んでくれた。


チャドとジークの方はまだプレイしているようで、皆でそれを眺めて盛り上がった。


そんなこんなで午後7時を過ぎた。


皆で話し合って夕食を食べる事になり、ゲームセンターから少し歩いたとこにあるレストランに。


皆がそれぞれに料理を注文し、待っていた時だった。


不意に、ケルシーが呟いた。


「…お腹…痛い…」


ケルシーは下腹部を抑え、背中を丸めていた。


「大丈夫?」


テイラーが心配そうに尋ねると、ケルシーは横に首を振った。


瞬間だった。


ケルシーが下腹部に走った激痛でその場に突っ伏して痛みに呻いた。


ケルシーに駆け寄ると、ズボンが濡れている事に気がついた。


恐らく、下腹部からの出血。


血は徐々に溢れ、ズボンの染みは椅子にも滲んでいた。


非常事態に、トロイが慌てて救急車を呼んだ。


僕はテイラーとマーサにタオルを頼んだ。


椅子に滲んだ血を拭き取り、床に寝かせる為に下半身の位置にタオルを敷く。


ケルシーは、痛い痛いと泣いて呟いていた。


やっと救急車が到着し、ケルシーは担架に乗せられて運ばれ、僕らも乗り込む。


そして、病院に着くなりケルシーは手術室に消えた。


僕達は一様に手術の無事を祈った。

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