終わり
フクSAN
最初で最後
高校の昼休み 5月15日 月曜日
昼ご飯の弁当を食べおわった私の前に男子の幼馴染がやってきて屋上へ来て欲しいと言った。
私はその幼馴染と一緒に屋上へ行き、何をするのかと尋ねた。
「こう言うのもあれだけどさ、君に言いたいことがあるんだ。」
何?愛の告白?そう私は思った。ただ、返ってきた言葉は私を驚かせる、いや、それ以上の衝撃を与えてくれた。
「明日、この学校から逃げた方がいいよ。」
え?どういうこと?
「命が惜しければこの学校から逃げた方がいいってことだよ。」
は?何言ってんの?お酒でも飲んで酔ってるの?
「僕は警告しに来たんだよ」
あんた、本当に何言ってんの?
私はそう言うけれど、彼の眼差しは真剣だった。
「まぁ、いいや僕は一応言ったからね。」
あんた、本当に何?ていうか...誰...?
「だから僕は警告だよ。んじゃ後は任せたからね。」
そう言って彼はフェンスから身を投げ出した。落ちていく中、私の目の前から幻の様に消えていく...
翌日、私は彼の警告を無視して学校に来た。
校門をくぐり、下駄箱でシューズに履き替え、教室にいき、席につく。
本当に、ただの、日常だ。
ただ1つ違うのは、彼がいないこと...
いや、あれ?彼って誰?私はなんの警告を無視したんだっけ?まぁ、いいや。
そしてチャイムがなり、HRが始まる。そのタイミングになって先生が入ってくる。その手には真っ赤な鉈が1つ...
教室は悲鳴と誰かの叫び声によって埋め尽くされた。
人間には正の感情と負の感情がある。
しかし、負の感情を抱えすぎるといずれは破裂してしまう。
まるで、振った炭酸飲料が飲み口、いわゆる出口を与えられると同時に出てくるように。
私の前にいる先生、いや、この人ではない人間は何の"負"が重なってこんなになったのだろうか。
そいつは私に近づき、その手に持ってる鉈を振り上げた。
私は意識がなくなる前に、忘れたはずの彼の名前を叫んだ。
終わり《完?》
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます