勇者(仮)の冒険譚

@saegusa_07

はじめの書 序章は突然

何故こんな目に合っているんだろう。

何か罪を犯したか。

ただ俺はいつも通り学校に行き、いつも通り帰宅した、

はずだった。

そのはずが今、俺は空を飛んでいる。

いや、飛んでいると言うには少し語弊がある。

正しくは落下している。

何故空を飛ぶ、否落下するに至るか。

それを説明するには少しばかり前に遡る。

その前に俺の名前を名乗っておこう。

俺の名前は羽田尋。

はたひろと読む。

断じてはねだではない。

まぁ、ただの学生だ。




いつも通り登校し、授業を受けた所までは何もなかった。

しかし、その日は深夜までネットサーフィンをしていたせいで猛烈に眠かった。

いつもなら真面目に授業を受け、ノートをとる所だが今日は本当に眠かった。

すまん先生、全てはこの睡魔のせいだ。

ノートも数少ない友人を頼れば問題もない。

そして俺は睡魔に身を委ねた。

普段なら授業中で爆睡することもない為、学校で夢などは見たことがない。

(……し…ゃ…めざ…し…い)

うるさい。俺は眠いんだ。

なんだこの悪夢は、誰かが俺を呼んでいる。

(あ……しめ……)

喋るならはっきり喋って貰いたい。

何を言っているかさっぱりだ。

(……めざめよ!……)

目覚めよ?勘弁してくれ、本当に眠いんだ。


その瞬間椅子に座っていたはずが、突然の浮遊感に襲われた。

は?

うつ伏せていた机もない。

クラスメートもいない、授業をしていた先生もいない。

ついでに教室もない。

目の前はだだっ広い草原。

どこだここは。

何が起きたのか分からない。

ただ分かることは、今俺は空を落下していてもうすぐ死ぬだろうということだけだ。


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