第9話昔からの作物は国を択ばず
「ハロー!エクスキューズミー?」
「へ、ヘロー…」
背の高い外国人に声をかけられたシオは日本人の大多数が取るようなリアクションをする。
「@:・。「-^」
「あかん、わからん」
そこにこむぎが割って入る。
「ステーション?ストレート…イエスイエスビッグストリートライトゴー」
「サンキュー!」
ひらひらと笑顔で去る外国人に同じくひらひらと返すこむぎ。
「なんやこむぎ英訳アプリ持ってるんか?」
「あんなの英語じゃないですよ。ボディランゲージですよ。それにネイティブのリスニングって安いアプリじゃ略せませんし」
「じゃあ素なんか?」
「単語拾ってなんとなく…ですかね」
難しい顔をしたこむぎがシオに笑った。
「今日の世界文化工作はマトリョーシカだ」
そういう七味先生にの前には、やけにでかいマトリョーシカが。
「なあにあれ?」
「エストリカ、母国のものをしらないのか?日本人で達磨をしらないのと同じだぞ」
「ザラメの偏見やなぁ、しかし毎回思うが、この授業いみあるんやろか…」
そう不思議そうにマトリョーシカを見るエストリカ(ロシア人のハーフ)
じょりじょり
「うを!?まだ作り方説明もしてないのに作れるんかこむぎ!?」
「ニ〇リのカラーボックスと一緒ですよ一緒」
「…白野こむぎ、まいえんじぇー麹シオへ良いところを!!!!|д゚)」
「今日のランチはなんやろな!」
日替わりメニューでランダムにランチをたまにするのがシオの趣味の一つだ。
「メニュー見ないで日替わりでハズレ引くのはシオちゃんの特技だよね」
「日頃の行いだろ、私に対する塩対応の報いだ」
そうしてでてくるゴーヤチャンプルーに海葡萄。
「…ゴーヤはわかるが、海葡萄を学食に提供するのは衛生法にひっかかりそうだな」
ゲテモノというより、陸地でウミウシを見たかのような目で見るザラメ。
「そう思うならおとーやんに直談判してや!ゴーヤも苦いし初見のもん食えへん!!!」
「なら交換しましょう!私大好きなんですよ!」
嬉々とした表情で海葡萄に縋り付くこむぎ。
「そっちかい」
すかさずシオがツッコム。
「こむぎさん、中々通な味がお好きなんですのね」
「お酒のつまみとか好きそうだよねジョロちゃん」
「…シラノコムギッ!!!マイハーツエンジェーシオ!へ救いの手を差し伸べるとはっ!!|д゚)」
「じゃあな…くっ!」
「毎回下校の時悔しそうに泣くなや」
ザラメの頭を撫でるシオ。
シオ、こむぎ、エストリカの帰り道…。
「ヘイヘイヘイ!!!チョットオチャシナイカイ!?」
謎の片言外国人が現れた。
「アメリカ…にしてはアジア人ぽいな」
シオの言葉をイエスと取ったのかやたら気安く距離を詰める外国人。
「;。:・;「「「@@;:;+++!!!」
「朝よりわから…」
そうわからない言葉を言われて無表情のこむぎが外国人の男にそっとささやく。
「〇×××!!!kklll;:;(∩´∀`)」シ(放送禁止ワード引っかかりまくりのどこかの言語)」
そう言われてがくがく震え、恐怖のあまりこむぎの腕を掴む外国人。
「ひっ!」
流石に恐怖の声を上げるこむぎにシオが叫ぶ。
「こむぎ!」
ガシッ。
外国人の頭をそのまま掴み持ち上がげるエストリカ。
「истребление 。言葉が分からないからトバすね」
メキョ。という音共に泡を吹きこむぎを離す男。そしてそれをゴミ袋のように道路脇に放り投げるエストリカ。
「お~い!大丈夫か!?ジョロが帰り際危なさそうだと私を連れて…」
小町のチャリの後ろに乗っかったザラメの後ろには、SPのような人物が走って追ってきていた。
「いろんなところ行ったかも知れへんけれど、どこが一番怖いかわかったんちゃう?」
「お、おそロシア」
あははと苦笑いするこむぎに、キョトンとしたエストリカが見下ろしていた。
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