6話

「昨日は……眠れなかった……」


トボトボと歩きながら頭を抱え込むように悩む。昨日の黒髪美少女シスターはプルート星人と名乗っていたよ。

 

 昨日の夜、自宅から帰ってすぐに……今朝方購入したアニメsdを鑑賞し、ついでに深夜アニメを見たり、少しは睡眠を取れなかった。


「ちゃんと睡眠を取ればよかった。今日も授業をサボるか……」


 歩きながらがうずうずして、視界がぼやけている。昨日のシスターはなんでソーラー・グラスを渡そうとするのか……わからずじまいだ。


「僕の両親は別々だからかな……? それに僕の髪の毛の色は半分二つ以上の色合わせだよな……ハーフだし……」


 通りにあおる店の鏡で自分の顔を見ると、髪の色は……右は父方のアリス星人の赤毛、左は母方のプルート星人の銀髪をしている。髪の色が二つあるのがハーフである。


 僕の両親はアリス星人の父とプルート星人の母。ハーフとして僕が生まれた。


 一族の格差は別々で、父方の名字はオオウチ、しかし母さんは元々ストリートチルドレンで名字はなかった。父さんと母さんの出会いはプルート星の貧民街復興の病院である。

 

 幼かった父さんは病院で迷子になってしまい、とある病室で入院している幼かった病弱の母と恋に落ちる。惚れた二人は大人に成長して電撃結婚して、母さんが妊娠して僕が生まれた。


 しかし親族にはハーフとして気に食わなかった人も多い。でも僕を大事にしてくれた父さんと母さんと一緒に食事したり、一人で怖くて眠れない夜、一緒に寝てくれた事もあった。


 しかし……あの事件から7年……もう両親はこの世にはいない。


 義弟のハルタはなんで父さんと母さんを殺したのか、冷酷な殺人鬼になったのか、理由はわからない。


「痛っ! まただ……」


 おでこ辺りの切り傷を前髪で隠し、頭を頷くように、ふらふらと歩き続ける。


「今日も学校に行きたくないな……昨日はあんな派手な逃げ方したから……」


 昨日の放課後、邪魔な風紀委員に指導室まで連行されるところで、窓から飛び降りて、あんな逃げ方をしたから……無理もない。


「今日もサボろうかな……って何を言ってるんだ僕は!? ちゃんと出席しないといけない……」


 ガッツポーズを取りながらやる気を整える。通学中に問題を起こしたら、また昨日のイケメン眼鏡男子に出くわしたらどうする。


「オオウチ君!」

「ヒー! 出たー……って女子の声じゃないか?」


 急に僕の背後から少女の声が聞こえた。後ろに振り向くと。赤髪のツインテールをした赤縁眼鏡を掛けた小柄な女子生徒は睨みつけるように近づいてきた。


「おはようオオウチ君……」

「委員長!?」


 彼女は僕と同じクラスメイトの学級委員長女子である。


「おはようございます委員長……」

「あなた……昨日はとても危ない逃げ方をしたでしょう!」

「なんで知ってるの!」


 昨日の出来事をどうして委員長が知っているのか、教室にはいなかったのに。


「大丈夫ですって、怪我はしていませんから……」

「そういう問題じゃない。3階で飛び降りとは、余計な逃亡をしてますね!」

「う……」


 道のど真ん中で委員長の説教とは、怒号に耳が響く。返す言葉も出ない。


「オオウチ君……少しは自分の立場と心配をしたらどうなの……」

「それはわかっていますけど……」


 彼女は指で眼鏡のテンプルを押しながらレンズにキランと光った。


「オオウチ君、先週の進路希望メールが届いていないのはあなただけね……」

「ギクッ! そうでしたっけ……」

「やっぱり忘れていたでしょう!」


 学校から進路希望はまだ決めていない。どこの高等学校のキャンパスと学校案内見学は一度も参加していない。もう秋頃なのに今更探すのは無理だ。


「私……君の事が心配で、委員長としてほっとけないの」

「でも……一体なんでいつも僕に心配かけるんですか?」

「それは……その……」


 委員長は毎日のように問題を起こした僕に説教したり、授業の課題を渡されたり、僕は気になって委員長に話しかけた。彼女は目を背けたような顔をした。


「ついでにオオウチ君。私の進路を本当に聞きたいの?」

「委員長の進路?」


 彼女の進路先を聞かされるとは、どこかの名門大付属系の高等学校に通うだろうと素直に聞く事にした。


「私……星立ソーラー・学園に転校するの……」

「へッ?」


 今……委員長の進路先はソーラー・学園、どういう事だ。まさか彼女は適合が一致した人間なのか。


「どういう事ですか……つまりソーラー・グラスの適合が一致したとは……」

「本当よ。昨日の夜……街の役所の職員と学園側の人間が家に訪れてきたの。診断によると私はソーラー・グラスの適合が一致を確認、卒業寸前に中等部に転校……今度の日曜日にトーエに出発しなければならないの」

「ユートピア皇国の首都、あるいはアリス星の星都と言われるトーエですか!」


 トーエはユートピア皇国の所在都市、アリス星の星都である。ソーラー連邦時代の当時のトーエは治安が悪く、スラムが多く、基地や研究所などの軍事施設が多く、ソーラー連邦のアリス支部がトーエだと歴史に残されている。


 ソーラー・グラスが誕生した際、トーエを解放に成功、アリス支部を抑えた。


 戦後の復興作業を始め、ソーラー・グラスの為に、フレームを生産を始めた。様々な素材を作り出し、爆発的に経済が発展した大都市として……現在のアリス星の星都が誕生した。


「他のみんなには話したのか?」


 しかし委員長は首を振った。誰にも話していないのだろう。


「ううん。誰も話していないから……君と同じ友達は一人もいないから……」

「そう……」


 委員長も僕と同じボッチだとは知らなかった。お昼休みに一人でお弁当食べているところは覚えている。


「それに覚えていないの……二年前の事……」

「2年前?」


 委員長が急に二年前の昔の事を聞かされた。僕はまだ入学して間もない頃の中等一年生だった。


 最初に問題を起こしたのは、この学園の中等部と高等部の最悪と言われる不良グループを全員ボコボコにした記憶はあるけど。全員土下座して泣き寝入りにした。

 

 そのリーダー格は、証拠撮影をネットに流して悪巧みを公開し、次の日に家族と共に遠くへ引っ越した。


 まさか委員長……リーダー格の不良の家族……または従姉妹の逆恨みで僕を襲うつもりだろうが。


「最初にグループをケンカしたのは、いじめられている女子を助ける為に問題を起こしたでしょう」

「え? どうしてそれを?」

「その女子は……私よ!」

「えーーー! あの地味な女子って委員長!?」

「そうよ、私よ!」

「一年の頃には、地味な格好だったのになんで!」


 当時、助けた女子である委員長は、ブカブカな制服とクセっ毛が多い髪型、大きいレンズをした瓶底眼鏡を掛けていたのに、まさかこんな再会を果たすとは。


「イメチェンしたの、その……おかしいかな……」

「イヤイヤイヤ! おかしくありません!」

「本当に……」


 まさか2年前の不良グループに絡まれた地味な女子が委員長とは、姿や形が変わっていたのか、三年生になって同じクラスになっていたとは。


 会った時の容姿が少し変わった。ボサボサ髪がツインテール、小柄からモデルみたいな体格、それに大きいレンズの眼鏡は細い縁の薄い眼鏡に新調している。僕を会う為に中等デビューをしたのか委員長。


 ところが気になるところがある。いつも彼女の右手だけが手袋を嵌めている。まあ……いいか。


「委員長……三年になってから僕を心配してくれるんですか?」

「今度は私がヨシノ君を守りたいから……日直だから先に行くね」


 一年生の恩返しだろう。委員長が学校へ向かうと、僕は委員長に声を掛けた。


「委員長! 名前を教えてくれないか……」

「シア……シア・ノグチよ!」

「シアって名前なのか、可愛い名前じゃないか」

「可愛い……ヒャアーーーーー!」


 委員長のシアは、興奮するように慌てて学校に行った。


 しかも特急みたいで足が早すぎる。


「……今日もサボるか……」


 1年の頃に助けた地味な少女が同じクラスメイトであるシア・ノグチ委員長だったとは、真面目で立派になっていた。


 僕はフラフラ歩きながら学校へ向かった。






 お昼休みになる直前の校舎側では、二人の警備員とそのロボットが校門を見張っているところ……給食運搬のトラックがやってきた。


 警備ロボットはトラックから降りてきた運転手に話しかける。


『ミブンショウメイショウヲミセロ……』

「給食の購買のパンと弁当を届けにきた……」


 運転手の男は身分証明の携帯を取り出す。ロボットはすぐ様……トラックの中を確認すると突然。


 パーン


「なんだ!?」


 花火音みたいのが聞こえた。


「おい……どうした!」


 目の前に転がる警備ロボットが煙を上げながら壊れている。


「大変だ……誰ー」


 バーン……。


 バタリと倒れる警備員は血が流れるように絶命した。銃を持った運転手が警備員を射殺した。


「よーし……状況開始! すぐさま戦闘準備と人質を捕らえろー!」

「イエッサー!」


 トラックの荷台から降り立った銃を持った武装集団の男達はゾロゾロと出てくる。


「一人残らず捕らえろ! 逃亡する輩はすぐに撃っても構わん! 周囲を確認しろ!」


 それが学園で最大の反対派の立てこもり事件が起こった。





 


 僕は今日も授業をサボって屋上で昼寝をした。


「今日も暇だな……やる事もないし、委員長……転校するとは」


 今朝の事を思い出す。一年生の頃、助けた地味な女子生徒がシアだったとは、イメチェンしていたとは気付かなかったな。


「腹減ったな……朝はパンをたくさん食べたのに?」


 ドカーン! 


「ウワー! 腹の虫がデカいーってそんな音するかー!」


 僕は咄嗟に起き上がると、爆発音が聞こえた。校門前の警備室が爆発音だ。


「なんだ! 今爆発音がしたけど……しかも煙があんなに……」


 屋上を見上げると、銃を持っている武装集団が次々と校庭から校舎から入ってくる。まさか昨日の朝のニュースで逃亡中のテロリストだろう。


「ヤバい……ヤバいぞ! 早く逃げないと!」


 急いで屋上から出ようとしたところ、ドアから階段を駆け上る音が聞こえた。まさかテロリスト達か屋上を確かめにきたのか。早すぎるぞ。


『早く屋上へ調べるぞ!』

『おう!?』


 怒号をした男の声が聞こえた。このままだとテロリストに捕まってしまう。


「どうしよう。早く隠れないと……」


 周囲の屋上には何もない。何ヶ月前に壊れている排気口が目の前にあった。


「よし……あそこに隠れよう!」


 僕は排気口の中へと入った。


 ドガッ!?


 屋上のドアが突き破ってドアが倒れる。入ってきたのは迷彩服を着た男が二人、機関銃を構えながら、誰もいないかと確認している。


「クリア!」

「こっちもクリア! 屋上には誰もいません!」


 屋上から入ってきたのは男二人だけ、その他にも奴らと同じ連中がいるかもしれない。身動きも取らないで二人の様子を見る。


「煙が上がると……警察の奴らが気付くだろう……」

「そうだな……校庭には誰もいないか調べる」


 その二人の顔には軍事用の眼鏡を掛けて、テンプルのすじを押しながら周囲を確認している。


(これは……ヤバい事になるな……)


 このままだと見つかってしまったらどうしようもない。


 排気口の奥から校舎裏に繋がる出口まで逃げようとしたら。


「そういえば、この学園にいる奴らはどうしたんだ?」


  一人の若い男が何か話しをし始めた。


 まさか学校の生徒と先生が捕まったのか、僕は気になってテロリストの二人の会話を盗み聞きした。


「連絡が入ったところ……体育館に閉じ込めている」

「そうだな……」


 どうやら生徒と教師は全員体育館で囚われの身になっているのか。


「計画が成功したら人質はどうする?」

「殺すに決まっているだろう」

「そりゃそうだ……ギャハハハハ!」


 人質を殺す。なんて大胆な、血と涙と心がない奴は最低だ。


(あの頃を事を思い出す。家族を守れなかった事を……)


 このままだと人質は殺される。僕の家族みたいに、それに転校する委員長のシアも心配だ。


 所詮……僕に無関係な奴らでも……死ぬ姿は見たくない。


 僕は決意する。


「助けに行きますか……」


 僕は排気口からこっそりと出た。ゆっくりと慎重に二人の男に近づいた。


「どーも!」

「「!?」」


 二人組は僕を不審な人物を見かけたような目で驚愕する。若い男が右ポケットからナイフを取り出した。


「誰だきーグホッ!?」


 僕は素早く若い男の顔を足蹴りで攻撃した。殴られた男は失神するように倒れ込み、持っていたナイフを落とした。次にゴツい男は棍棒を取り出して殴り掛かってくる。


「貴様ーゲホッ!?」


 ゴツい男は棍棒を振り回す。すぐに交してゴツい男の頭を脳天チョップした。白目をむいて倒れ込む。


「屋上でお昼寝してな。それに……武器をお預かりするね……」


 二人組の所持してる武器を少し部品を外す。これで襲われずに済む。


 僕は屋上のドアから校舎の方へ向かった。







「テメーラ……妙な行動したらタダじゃすまさねーぞ!」


 銃を構えた武装集団が周囲の人質を脅すように怒号な声を出す。あの男は本気で撃つ気満々じゃない。


「どうなるんだ。俺達……」

「知らねーよ。どうしてこんな目になるんだ!」

「私たち……殺されるのかしら……」


 怖じ気付く生徒達は、お昼休みの予鈴が鳴った直後、謎の武装集団によって学校の生徒と教師を体育館まで連れていかれ、全員人質にされてしまった。


「うるせえぞテメーラ!?」

「今度また騒いだらタダじゃすまさねーぞ! わかったら大人しくしろ」

「「「「ヒッ!?」」」」


 テロリストの二人が生徒達に近づいて、顔に銃を突きつけて脅そうと嘲笑しながら絡んできた。


(このままだと私たちは殺される……)


 どうにか状況を確かめないと。するとテロの男がこちらに近づいてくる。


「おいおい嬢ちゃん! なんで右手だけ手袋を嵌めているんだ?」

「え……関係ないわ」


 テロリストの男はニヤニヤしながら私に話しかけてきた。


「いいじゃなねえか……ちょっと右手を見せてくれないか?」

「ちょっと! 痛い止めて!」」


 断ろうとしたら、無理矢理しつこく手袋を外そうと腕を掴まれ、髪を引っ張られる。


「右手を外すだけだから……」

「止めてください!」

「どれどれ」

「あ……」


 男は聞く耳持たずに手袋を外してしまい、すると男は驚愕してしまう。


「ドワ! なんだこの右手は!」


その男はビックリして倒れる。私の右手には、黒く火傷の痕が残っている汚点だ。


 数年前、母が開発した医療器具の実験に失敗し、私の右手には人の意識を失う能力を発動してしまい、周囲の人間から化け物呼ばわりにされ、みんなからいじめられる毎日を送った。


 だから母が作ってくれた皮の手袋を大事に嵌めている。


「そんな目で見ないで……」


 テロリストを突き飛ばし、私の皮の手袋を取り返す。もう一度右手に手袋を嵌めた。


「おい! 何をしている。ナンパしている暇なら少しはあっちを見張れ!」

「は……はい!?」


 別の兵士がナンパした兵士を怒りだす。その男はビクッとしてあっちのほうへ立ち去って行った。隣にいる数人の女子が心配そうに声を掛けられた。


「委員長……その右手……」

「大丈夫よ……そんな傷はいくらでも……」


 心配に話しかけたマーキュリー星人の女子生徒が真っ青になる。


(それにしても……オオウチ君は大丈夫かしら……)


 学校一の問題児であるオオウチは今日も出席していない。授業中に謎のテロリスト集団が現れて、学校にいる生徒と教師を体育館まで連れていかれ、ところがオオウチはどこにもいなかった。


 彼だけ難を逃れたのは嬉しいのか嬉しくないのかわからない。何言ってるの私……。


「ジョーダンじゃねえぞ! こんなのクソくらえだ!」


 何か騒ぎ声が聞こえた気がする。私は騒ぎ声のところへ歩いて行くと、不良男子が彼らに逆らうようにもめていた。


「おいおい……お前ら頭がおかしいだろう!」


 そのチャラ不良は元々潰れた不良グループの一人だ、彼は逆らうようにテロリストを馬鹿げた声を放つように「ギャハハ」と笑う。


「脅しだろう。これは単なる茶番劇でもしてるんだろ? 笑わせるぜ……」


 不良生徒はニヤニヤと嘲笑いながらテロリストの事を役者とエキストラというテレビ局の撮影のドッキリ番組だと思っているのか。


「なんだと……貴様!」

「ほう……茶番だと……」


 冷たい表情な顔をした背の高いテロリストの褐色肌の男が、その不良生徒に近づいてきた。


「貴様……我々は事実と本当の事を信じないとは、良い度胸だな……」

「なめてんのか? お前らの臭い冗談なんて信じねえな……役者さん……ペッ!」

 

 再び大爆笑する不良は相手の男に向けて唾を吐いた。すると男は何か言いかけた。


「もう一度言うぞ……お前は全然わかっていない。貴様にはしつけが必要だ……」


 男は銃を取り出して、その不良の足の近くに突きつけた。


「お! これおもちゃだろう……」

「フン……馬鹿な奴だ……」


 バキューン


「え……」


 不良は倒れ込むと、足には赤い液体が流れている。そう……彼は相手のテロリストに撃たれた。


「ギャアアーーーー!」


 不良は足の痛みを味わいながらガクガクと震えて悲鳴を上げて暴れ出す。


「イヤー!」

「撃ったぞ!」

「静かにしろテメーラ!?」


 再び男は上に向けて発砲した。周囲にいる生徒達は大人しく黙り込んだ。


「痛い痛い!」

「痛いか小僧……本物の痛みを味わったか」


 兵士の一人が不良の足を踏みつけた。死ぬほど痛い顔をしながら泣き続けた。


「今度我々に逆らったらどうなるか……お前は死に至る!」

「ひいいいーーー!? ごめんなさいごめんなさい!」


 泣き叫ぶ不良は怖じけ付いた。背の高い男は不良のほうへ唾を吐いた。さっきの仕返しなのか。


「どうすれば……」


 その時、無線担当の通信係が何か慌てている。リーダー格らしい兵士が通信係に話しをした。


「おい連絡係……何かトラブルか?」

「それが……見張っているb班が、何者かに襲われたと通達が!」

「なんだと!」


 リーダーらしい男が通信係から無線機を渡す。無事になっている班を確認するだろう。


『誰か……助けてくれ!』

「b班! 一体どうしたんだ!」

『助けてください! ファンが……ファンがやられた!』

「何を言うか! あのカンフー達人のファンがやられるわけには……」

『ギャー!』


 無線機から絶叫するような悲鳴が聞こえた。体育館から響き渡った。


「何?」

「悲鳴?」


 生徒達は何が起こっているのが気になる人間もいた。するとリーダー格は。


「b班! オイb班……返事しろ」


 テロリストのリーダー格が無線機のマイクを近づきながら声を出す。その時ノイズ音から違う人物の声が流れてきた。


『アーアー……もしもし? 相手のテロリストさんなら、僕のパンチで気絶してるけど……』

「誰だ貴様!」


 無線機から少年らしい声が聞こえた。聞き覚えがあるような気がする。


『人質は体育館にいるよね』

「何故わかる!」

『盗み聞きした!』

「他の奴らはどうした!」

『ボコッタ……夕方まで起きないから……』

「何だと!」


 外にいる大勢のテロリスト達を一瞬で倒した。こんな短時間で信じられない。


『じゃあ……今から体育館に向かうけど……首を洗って待ってな』

「おい……待て!」

 

 プツン……ザーーー


 砂嵐のようなノイズ音が流れる。みんなポカンとした表情。テロリスト達は焦っていた。


「おい! 早く無事になっている班を連絡を取れ! 外を見張っている奴らにも報告しろ。射殺しても構わん!」

「リーダー! 2階にいる班も全員通信途絶!」

「全滅だと!!」


 こんな事をしでかすのは彼しかいない。一年生の頃に私を不良から助けてもらった学園一の問題児であるヨシノ・オオウチ君しかいない。


 

(本当に君はいつもこういう状況でも問題を起こしてばかり。今度こそ……説教してやるわ!)


 

















































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