第209話「火遊びのススメ」

マッチを使った遊びを思い出した。

僕の小学時代の話しだ。


◇◇◇


小学6年ぐらいだったかな?

公園のはじっこで、マッチ箱からマッチを沢山だして、井げたに組んだ。そのあと、持ってた携帯ナイフの肥後守(ひごのかみ)を使ってマッチの頭を削り、粉にした。粉を、井げたに組んだ所から導火線のようにしたのだ。粉をつながるように削るのは、結構たいへんで、20センチばっかの導火線だった。

(これは風のある日は、粉が飛ばされるからダメだったなあ)


さてさて、マッチをすり、導火線に火を点けると……


シュバッ!


と、火が走った。

走った炎は井けだに組んだ所のマッチの頭にうまく着火した。


ボォウ!


と、燃えだすと瞬く間に、井げた全体が燃え上がったのだった。

マッチ棒に切り込みを入れ、人型にして井けだに入れて火を付けた事もあったなあ。


『キャ~助けて~!』


『ハハハハもう終わりだ!』


などと、心の中で声を出し、僕は物凄い悪人になって火をつけた!

マッチの火が、導火線に点く!


バシュシュシュ……


と、火が走る。

今にしてみれば、罪悪感のある遊びだ。幼い頃のアリンコ踏みや、虫の解剖に似た所があるかもしれない。今の時代、こんな遊びをしていたら、放火だなんだと大変だろう。今はとみに公園法が厳しくなっった。(小学時代では書いてますが、当時も火遊びも、穴掘りも木登りだって、本当はダメなのだ!)


そういう意味では当時は、そんな遊びを見守る近所の人がいたりする、おおらかな時代だったのだろう。


おしまい

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