第169話「ロープワーク」

昨日の朝、新聞を束にして紐で巻いていたら思い出した。僕の紐使いの技(ロープワーク)はここからだよな!って思った。


小学時代、古新聞や古雑誌は、婆ちゃんが束ねて、その後、交換屋さんに出していた。(昔は、ちり紙交換と言って、車が回って来て古新聞や古雑誌を出すと、その場でトイレットペーパーに換えてくれるのだった)

僕もよく紐を結ぶのを手伝った。初めての頃は、上手く結べなくて、何度も婆ちゃんチェックが入った。

(そうそう、チョウチョ結びは、2年生だか3年生の時にメグちゃんに教わった。しかし、小5まで直らず、エプロンだけは縦結びだったなあ)


でも、2週おきの収集に向けてやっていると、次第に上手くなるものだった。いわゆる「コツを得る」と言うものだった。最終的には、こんな感じだった!


ぐるん、ぐるんの、キュッ、キュッでギュー!


だった。

何も考えずとも体が勝手に行っていた。中学までは、良くやってたが、僕の中で極めてからは、飽きてしまい……その後、全くやらなくなった。


でも、今でも身体が覚えているもので、新聞紙を紐で巻いていると……


「パパ凄い!」


と、子どもに言われていい気分だった。

そうそう現場に立ち、この技を見せると……


「おお~!」


と、歓声が上がった。


「凄いね、ミズキさん!!じゃあ、これもお願いしまーす」


と、次を頼まれた。

ああ、そうだ、。こうやって器用貧乏になっていくんだよなあ。アハハハ。

おしまい

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る