第130話「トミーの事」

 とあるSNSで、30数年ぶりに友達に会った。その瞬間、僕の小学時代の記憶の扉が開くのだった。



 トミーとは小学2年までの付き合いだった。2年生の終わりに引っ越していってしまったからだ。

 トミーとは良くケンカした!そしてケンカしたかと思えば……


「あっははは!」


 次の瞬間には、ケンカした事なんか忘れて大笑いしていた。

 そうそうトミーとは、森林公園か何かに遠足にいった時の事。写真撮影になる直前に、そこでもケンカして、そばにいた校長先生に止められた。その後の集合写真では、肩を組んでいる二人がいた。

 写真を見ると、トミーは胸がはだけていた。何故なら僕が胸ぐらをつかんだからボタンが取れてしまったのだ!

 そういえば、僕が初めて補助無し自転車を乗ったのはトミーのせいだった。


「自転車貸してやるから乗れよ!」


 と、言われて乗ったはいいが、トミーはどんどん先に行くものだから、大慌てでペダルを漕いだ!

 トミーに貸してもらった自転車は空気が抜けてて、カーブの時なんか、転んでしまい、膝が血まみれになってしまった!そんなこんなで必死に追いかけていると、自転車に乗れてしまってたのだった。しかし、何より参った事があった。トミーはブレーキの事をちゃんと教えてくれなかったから、下り坂で……


「うわわわ~、止まらない~っ!」


 と、なって急いで足で止めようとしたら……


スポーン!


 と、靴が脱げ飛んで行き、止まったはいいが、つま先が血まみれになってしまったのだった。

 今では良い思い出だ。


おしまい

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