第119話「糸巻き戦車」

昔むかし、僕が保育園児の頃は、婆ちゃんは、足踏みミシンを使っていた。だから、木の「糸巻き」がたまにオモチャとしてもらえた。


木で出来た糸巻きは、そのまま、並べたりして遊んだ。年長のある日、保育園で「糸巻き戦車」の作り方を習ってた。それからは、ちょくちょく、糸巻き戦車を作るようになったのだった。


糸巻き戦車の作り方はこうだ。輪ゴムを糸巻きの穴に通しておく。割り箸を割り、棒一本にしてから、先端に穴から出した輪ゴムをかけた。反対側は、小さく切った割り箸をかけ、セロハンテープで止めた。それで回すと、ゴムがねじれ、力が蓄えられるのだ。


糸巻き戦車は、保育園の時に習ったが、その時は、糸巻きでなく、カメラのフィルムケースだった。だから、正確にはケース戦車だった。そしてフィルムケースの戦車と木の糸巻きの戦車では、重さが違って、スピードが違った。


そうそう、今あるプラスチックの糸巻きでも、戦車は作れ、良く走る!糸巻き戦車では、戦車のスピードレースや、登坂力レースなどをして競った。


小学時代になると、小学校の長い廊下でやるとナカナカ面白くて、どこまで走れるかの競争もした。ビニールテープを貼ったり、マジックで色を塗ったりして、自分だけの糸巻き戦車を作ったものだ。


おしまい






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