第114話「日射病(熱中症)」

4年生の時だったかと思う。暑い夏の日、とにかく頭がガンガンした。熱を計ると38度。とりあえず医者に行く事になった。

僕は多分、夏風邪だろうと思っていた。でも……


「あっ、ミズキ君は日射病だね!」


と、僕を小さい頃から良く見てくれている、かかりつけのお医者さんが言った。

そうそう、日射病とは今でいう熱中症の事である。暑い日射しの中、ずっと遊んでいるとなりやすいという事で、僕はしょっちゅう……


「外行く時は帽子かぶりな!」


と、爺ちゃん婆ちゃんに言われたものだ。

病院では、熱中症だから特に薬は出なくて……


「水をよく飲んで、涼しい所で休んで下さい」


と、お医者さんに言われた。

当時は、医者に行けば薬と思っていたから、薬が出ないのが不思議で仕方なかったものだ。

(今なら、アイソトニック飲料でもでるのかな?)

家に帰ってからも頭痛は続いていたから、とにかく水を飲んで布団で横になった。しばらくして婆ちゃんが……


「アイスノン冷やしておいたよ」


と、言ってアイスノンにタオルを巻いて、持って来てくれた。それから寝ていると、夜には頭が痛いのがおさまっていて……


「ミズキ、良かったあ」


と、婆ちゃんがホッとした顔をして、言っていたのを覚えているのだった。


おしまい

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