第100話「爆竹②」

海戦で思い出したけど、本当に投げあった事もあった!その名も「戦争」と言った。(本当に、アホだ!危ね~!!)

 学年が集まり、それぞれに分かれて、投げあった事があった。手榴弾を投げ合っている気分だった。(当時は、クラスなんか関係なく遊んでたから、誰かが面白い事をやり始めていると、あちこちから集まってくるのだ)


 植え込みに隠れたり、木に登ったり。相手を見つけては投げあった。爆竹を1本づつ投げていたのが、しだいに2本、3本まとめてに。さらに20連発にとエスカレートしていった!

 植え込みにいる奴は、植え込みが燃えるほど投げこまれ、木の上の奴は、硝煙にいぶされ……


「ゴホゴホッ!勘弁してくれ~」


と、言いながら飛び出してきた。(一応ルールがあり、手をあげるなり、参った!とやった相手には絶対手をださなかった)

 頭の上で爆発したり、足元でバンバン鳴ったり……


「うわっ!来た~!シャレになんね~!」


 という事で、みんなはこの一度きり、やっただけでやめたのだった。本当にマジで、しゃれにならないからだ!

 実は、やめた理由は、タケの耳元で爆竹が爆発した時に、鼓膜をやってしまったからだ。という訳で、事情を知っている、その場に居た仲間たちはもうやらなかった。

 

しかし、他のヤツラ(僕たちがやっていたのを見ていた他の学校の奴や、学年の上や下)が、その後もやっていて、とうとう大怪我が出てしまい(確か、目に当たり失明寸前だったとか)本当に学校から全面禁止が地域に発令され、しばらく、爆竹自体の販売も自粛となり、その年は、まったく手に入らなくなったのだった。

小学5年の時の話だ。


ああ、やばい止まらない!爆竹ネタは、まだまだあった!

その年は爆竹が禁止になったが、翌年の夏からは、また販売が再開された。まだまだ、爆竹遊びはあるのだ!(アホッ!)


 ある日、カミが細い水道管を拾ってきた。地面に突き刺し、水道管の先っちょから、火を点けた爆竹をいれ、小石を入れた。しばらくすると……


シュ~、ポン!


 と、水道管から煙が出たと思ったら、爆発音とともに勢いよく小石が飛び出した!即席のロケット砲の完成だ!

マジックの筒でも出来た。使えなくなったマジックの先をペンチで折り、中のフェルトごと引き抜いた。空になったマジックの鉄管に、爆竹を放り込み小石を入れた。うまくいくと、的の空き缶が吹っ飛んだが、手が痺れた。これなら、ただの20連発花火の方が楽だし面白いと思った。

 

マンホールにしかけると、もの凄い音になった!


ポオオオオーン!


 と、深~く大きく響いた。

 真夏の夜、公園のマンホールであんまりやりすぎて、近所の人が通報して公園に警官が来た時もあった。

 僕たちは、来る直前で爆竹をやめ公園を出た。他のグループはまだ残っていた。公園からでる直前、入口で、自転車に乗った警官に呼び止められた!


「誰か、爆竹しただろう!?」


 僕たちはすかさず……


「花火はしてたけど、爆竹はしてないよ!」


と言った。内心ドキドキだった。だって後ろポッケに、爆竹を持っていたから!一応、こんなこともあるかと、箱ではなくバラバラにして持っていたが。


「じゃあ、ポッケットの中だしてよ!」


と、警官は言った。僕たちは顔色変えずに、ポッケをまさぐる……


ポォーン!


その時、公園から音が聞こえた!警官は、僕らに構わず、走って行ってしまった。

本当はいけないのだが、爆竹本体をばらして遊ぶ事もした。むきだしの火薬に火をつけるとパチパチ鳴った。


「ただの花火だね!」


と、友達と言ってたのを覚えている。


ヤスデ(ムカデみたいなの)を小ビンにたくさん入れて、3、4本爆竹をばらして、中の火薬を入れて火をつけると、一瞬で火炎に燃えた。燃えあとが、ものすごく臭かった。

爆竹を20本くらいバラして、ビンに入れ火をつけた時は、すごかった!


バシュー!


と、いう音と閃光とともにビンが砕け、なんと1メートル大のキノコ雲が出来たのだった。あのキノコ雲は、美しいくらいのキノコ雲で、ちょっと不気味だった。


 余談だが、爆発は燃焼速度による事が分かった。速く燃える=爆発だった。だから紙も速く燃えると爆発する、マジックなどでよくあるアレだ!アレには、燃焼速度をあげる薬品が染み込んでいるのだ。

 爆竹の火薬の燃焼速度は、速くはなく、だから爆発もまあまあだったのだ。


 今にして見ると、よくまあこんな実験のような事ばかりしたものだと思い身震いする。(う~ん、いつか息子がやって、あちこちに平謝りだろうなあ)

 当時、親父に爆竹の話しをすると、さらに昔の爆竹の話をしてくれた。昔は2B弾というのがあって、本当に火薬のかたまりだった。(火薬には種類があるようで。爆火薬と着火薬だったかな?つまり燃焼速度と爆発力が違らしい)火薬遊び中に、友達の指がとんだらしい!あまりに危ないという事で、販売禁止になった代物だ。


 とまあ、ここまで爆竹の話を書いていたからには、この話も書きたいと思う。これは、かなり悪い遊びの話だが懺悔のつもりで書こう……

むかつくオバサンがいた。頭に来たので仕返しをしてやろうと、その人の家の玄関に爆竹をしかけた事があった!

ドアの隙間に、一箱分をしかけた。導火線に火を点けると……


ババババンッ!ババババンッ!


と、ものすごい音と煙!!煙が晴れる頃には、オバサンが半狂乱になって飛び出して来てた。その姿を見て、胸がスッとすると思っていたのだが、ものすごい罪悪感が僕を襲った。爆発の硝煙で真っ白になっていたドアを見てさらに怖くなった。(まあ、今なら捕まるね)


 火遊びと言う言葉があるが、まさに火遊びをしていたなあと書いていて思う。そして、とにかく大怪我にならなくて良かったと思うのだった。


おしまい




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