第62話「雨上がりだ!爆弾だ!?」

小学5年の時の話しだ。


「ミズキ行くぞ!それ~」


「あっバカ!やめろ~」


僕は飛びのいた!すぐその場所に……


バシャーン!


と、水しぶきが上がった。


「ホリ~かんべんしてくれよ~」


と、僕が言うと……


「ごめんごめん。爆弾してみたくなっちゃった!」


と、頭をポリポリかきながらホリは言った。

雨上がりの水溜りに、勢いよく飛び込んで、水しぶきを周りに上げることを「爆弾」と言っていた。

この爆弾。やってみると面白くってたまらなかった!何が面白いかというと……


上手く飛び込んだ人には、水がかからないのだ!


本当に上手く飛び込むと、水は周りに跳ねていって、中心にいる人は全くの無傷なのだった!!

爆弾で思い出すのは、公園での事だ。学校近くの三角公園。その公園の滑り台の上から水溜りに飛び込むと凄い事が出来た!その凄さと言ったら……


「うわ~降ってきた~!」


と、みんな傘を持って、空から降ってくる水しぶきを避けるほどだった。

いつものように、僕やホリが飛び降り、「大爆弾」をやっていた。そのうち……ゴウや、チョボオもやってきた。


「うひゃ~!」


「今のスゲー!!」


と、盛り上がっている中、ふと誰かが言った。


「重い奴のほうが、爆発がすごいなあ」


さっそく体重の重い奴がやることになった。


「え~俺かよ~」


この中で体重が一番重いゴウがやることになった。


「行くぞ~!」


ゴウが滑り台の一番上から飛び降りる。


ボシャ~ン!!


と、大爆発が起こった。でも何度かゴウに爆弾をやらせていると、水溜りの水が少なくなってしまった。仕方がないから、わざわざ水道から水をすくってきた。(確か長靴か帽子を使った気がする)そのうち……


「そうだ!カミ呼んでこようぜ。もっと凄いかも」


と、チョボオが言った。カミは学年一のデブチンだった。言いだしっぺのチョボオがカミを呼びにいった。カミの家は三角公園のすぐ近くだった。チョボオがカミを呼ぶ。


「カミく~ん。あそぼ~」


と、声をかけると、カミが家から出てきた。出てきたカミをチョボオが連れて来た。


「カミさあ、ここから飛んでくれよ~」


「えっ!いやだよ。服がよごれちゃうよ」


「じゃあ、脱げよ~」


てな訳で、上半身裸のカミが飛ぶことになった。早速、僕らは水溜りの用意をした。


「行くぞ~!」


カミが滑り台の上に立った。水溜りは万全だ。


「せ~の!」


バシャーーン!!!


その水しぶきの凄いことといったら、ゴウの比較にならなかった。水しぶきは横へ上へと跳ね上がった。傘で横を防御していたが、上から降ってくる泥水を浴びた。みんな泥まみれだった。さてさて、爆弾の張本人のカミを見ると……


「お前、ドロドロじゃん!」


ゴウが言った。カミは上から飛び降りたあと、膝が自分の体重を支えられず……


「お前らのせいで、尻餅ついちゃったよ~!だから嫌だって言ったんだよ」


と、ブーブー文句を言っていたのだった。


おしまい

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る