第55話「絵描き歌」
6月6日というのを見ると、頭の中で無意識に……
「ろくがつむいかに、あめがザーザーふってきて……」
という歌が流れてくる。僕の小学時代の話だ。
◇◇◇
この歌自体は、保育園の時に先生から、絵描き歌として習ったものだ。小学校に入ると、休み時間に黒板を使って絵描き歌を楽しんだものだ。こんな歌だった……
「棒が一本あったとさ」(横に直線)
「葉っぱかな?」(直線を中心に葉っぱを描く)
「葉っぱじゃないよ、カエルだよ」(葉っぱの上に目玉を二個で、カエルに見える)
「カエルじゃないよ、アヒルだよ」(カエルの顔を丸で囲むと、アヒルに見える)
「6月6日に」(数字の6を描くが、鏡写しで描いて両腕になる)
「雨がザーザー降ってきて」(川の字みたいに3本線を描いて胴体)
「三角定規に、ヒビいって」(逆さ三角を描いて、半分になるよう縦線入れて足になる)
「アンパン二つ、豆三つ」(アンパンで耳、豆は縦に描いてボタンとなる)
「コッペパン二つ、くださいな」(これで足が出来上がる)
「あっという間に、かわいいコックさん」(コックさんの帽子を頭に描いて出来上がり!)
といった感じで、コックさんの絵が出来上がるのだった。
◇◇◇
そして、小学生になってからは、よく冬の日に曇った窓ガラスで、指で描くのだった。
おしまい
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