第23話「シャベルとスコップ」
5年生の時の話だ。
「ミズキ、シャベルとスコップの違いって知ってる?」
休み時間、コウが僕に言ってきた。シャベルとスコップだって?何が違うんだ?コウの言葉に僕はしばらく考えたのだった。
大きさか?大きいシャベル小さいシャベル。大きなスコップ小さなスコップ。どの言い方でも違和感がないなあ。そもそも形が違うのかな?などと考えていると……
「はい時間切れ!正解は、足をかける所があるのをシャベルと言い、なで肩なのをスコップっていうんだよ」
と、コウは言った。
「先が尖ってるのは?」
「シャベル。大体先が尖っているやつは足をかけられるようになってるからね!逆になで肩のスコップは先が平らで雪かきしやすいやつなんだよ」
と、ここまで聞いてふと思った。
「じゃあ、先が平らでも足がかけられればシャベルって事?」
と、僕が聞くと……
「あっ!それわかんない。そうだよね~」
と、コウは腕組みをして考えてたのだった。コウはしばらく考えていたが結局は分からずじまいだった。
家に帰り夜、親父に聞いた。
「ねえお父さん。シャベルとスコップの違いって何?」
すると……
「スコップとシャベル~?ん~わっかんないなあ~。あっ、いや分かった!」
「えっ!なになに?」
「しゃべるのがシャベルで、すっこけるのがスコップだ!ガハハハ」
と、親父は笑っていた。
ああしまった、酔っ払って帰って来てる親父に聞くもんじゃなかったと、僕は思ったのだった。
おしまい
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