ゾンビ名鑑(『百々百々駄惰堕』より)

黒道蟲太郎

ゾンビ名鑑

『家』の住人達

家族番号077:キキ

○外見

・身長は一メートル六八センチ。スリーサイズは89・58・86。

・臍の周りをぐるりと取り囲むように、三つの『七』のタトゥー。『㐂』モチーフか。

・黒いボンデージドレスを着用。体のラインの出るセクシーなデザイン。

・肩まで届くシルバーブロンドの美しい髪。

・目つきには鋭さがある。

・陰毛は植えてもらっていない。


○武器

・甲殻類めいて硬質化した腕。死者特有の馬鹿力を発揮することで、鉄板をも破るパンチを放つことができる。

・表面には無数の棘が生えている。それに加え、小さな刃まで幾つも植え付けられているため、かすっただけでも皮膚が裂ける。

・正直棘か刃かどちらかでいい気もするが、これは彼女の加虐嗜好の表れである。


○性的嗜好

・彼女はセックスにおいて、自分が優位に立ち相手を思うままにする状況を何よりも好む。加えて重度の加虐嗜好を持っており、相手が一方的に傷付き、苦しむ様子を見るのがたまらなく興奮する。

・一番興奮するのは、己の尖った拳を相手の膣にぶち込みズタズタにするフィストファックである。


○性格

・一人称は「私」。二人称は「テメェ」のことが多い。言葉遣いは乱暴。自分が優位に立つことを中心に考え動いている、ある種高慢なところが強い。

・昔は、家族番号七十番台の女で構成されたチームでリーダーをしていたのだが、自分以外の構成員が様々な理由からいなくなった。新たにチームに所属するのは彼女のプライドが許さず、現在はひとりで活動している。

・狩りの腕前は人並み程度だと自覚しており、狩ってもレベル1か2である。それ以上は彼女が優位に立てないので狙わない。ジャンク品や貴重資料の回収の腕は高いので、それで十分に人並み以上の暮らしはできる。

・そんな彼女だが、『腐肉食系女子スカベンジャー』というあまり名誉でない二つ名を持っている。異形相手に苦戦している者の前に現れ、頼んでもいないのに無理矢理加勢して見返りを求めたり、死にかけている者を助ける代わりに獲物を横取りしたり、といったセコい方法で儲けているからである。特にモモをはじめとするソロ狩り志向の女は狙われやすい。確かに彼女のお陰で死ななかった命もあるのだが、それ以上のひんしゅくを買っている。本人はこの呼び名を嫌っているようだ。

・博打を打つと熱くなりやすい。一旦負け出すと勝つまで続けてしまうタイプ。

・個人霊安室は持っていないが、モモの部屋でよく寝る。

・酒は何でも好きなのだが、モモが好きなカクテル『セックス・オン・ザ・ビーチ』は彼女の中でついつい意識してしまうカクテルのひとつ。浜辺でモモとセックスするのは密かな夢。


○人間関係

・一般的な娘達

博打打ちや発掘屋とは比較的仲が良い。が、狩りを主体として生活している娘達からすれば、あまり会いたくない相手である。何かと「テメェのことも助けてやったろ?」とか言ってくるので結構ウザい。モモに恋愛感情を抱いているのは大体バレている。モモくらいしかちゃんと構ってくれないからだろう、等とも。

・モモ

モモに恋愛感情を抱いているが、モモが「恋愛は下らない」と公言しているのを知っているので言い出せない。遠回しにチームを組むよう言うが取り合ってもらえない。しかしとにかく体の相性は良く、一日中セックスしたりすることもある。モモの性欲に応えられるように実は体力をつけたりテクを磨いたり努力をした。モモはフィストファックを嫌がるので、何かしら恩を売ってはヤらせてもらっている。その瞬間が一番楽しい。

・シオン

家族番号二桁の古参同士。さして交流はないが、シオンの空回りする痛い行いを昔から幾つも見ており、自意識過剰女と呼んで蔑んでいる。

・ヨミ

百番台も後半になってくると知らない者も多いが、ヨミといえば様々な意味で有名な女だった。当然キキも意識しないわけがない。どちらかというとヨミのことは苦手だった。

・コーマ

家族番号二桁同士。こちらも特に交流はないが、シオンとコーマのユニット『ヒーリングナイト』にはコーマさえいれば別にいいんじゃないかと思っている。

・トワ

友達の友達くらいのポジションの上、トワは狂人であるので、正直二人っきりにはなりたくないと思っている。狂う前のトワのことも知っているが、その頃は若干いけ好かないなと感じていた。今はただただ不気味。モモを交えて3Pすることもあるが、あまりにも鬼気迫る様子でガツガツ来るので若干引いている。モモがやたら世話を焼きたがるように見えるので、若干嫉妬している。

・イル・スカルアール

『人造救世主』の音楽は結構好き。だが、キキは基本的に発表会でカネを稼ぐ者をピエロめいて若干下に見ている部分がある。

・イヅル

友達の友達ポジション。モモが「友達」と公言する数少ない人物なので嫉妬の対象だったのだが、底抜けに良い奴だったのでとうとう素直に憎めなかった。性癖に関しては不気味だと感じている。

・イロハ

モモと親しい奴にはどうしてまあこれほど気味の悪い奴が多いのか。キキがそう思う最大の理由が彼女である。何を考えているのか分からぬ戦闘狂は、キキにとってみれば恐怖の対象ですらある。話しかけてもロクに返事もしないので、どう扱っていいか分からない。モモに好意を抱いているのを知っているので、嫉妬心はすごい。

・ミレイ

モモの『妹』だからか、ついつい世話を焼きたくなってしまう。とはいえ忘れてはならないのは、彼女が『腐肉食系女子スカベンジャー』であること。優しく助けてあげて、優しく見返りを要求し、払えないと分かると優しくその棘拳を膣に挿入するという、優しく世の中の厳しさを教えてやる役回りを演ずることもある。

・ママ

当然大好き。母乳を飲ませてほしい。ママもみんなが大好き。やはりママとのセックスに興味はあるが、モモほどではない。

・先生

ママや先生を嫌いな娘というのは非常に少ない。キキも例外ではない。ギャンブルに大勝ちするなど、金に余裕のある時は、腕に追加の刃を埋めてもらっている。「アンタが嫌いなワケじゃないけどサ。絶対ヤりたくないネ」とは先生の談。

・メイド達

フィストファック欲が抑えられず、なおかつ相手が見つからなかった場合、仕方ないのでメイドとヤる。猟奇プレイは追加料金がかかるので、出費が意外と大きい。特に7号の泣き叫ぶ様子が一番興奮する。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る