無自覚最凶説

@yurine0617

第1話 魔王編

騎士 アレン(主)

姫 ソフィ―(姫)

ヒロインの親友 レベッカ(友)

魔王(魔)

ナレーション(N)


N)かつて、この国では人間と魔族が共存して暮らしておりました。でも、それは昔の話…


魔)…ほう…そうか…お前の持ち寄る情報はいつも間違いはないからな…もちろん信じよう…これで…これで、ようやく我の悲願が叶う!!フハハハ!!!


(間を開ける)

主)ふぅ…見まわり終了。

姫)ご苦労様、アレン、今日は何事もなくて良かったわ…

主)この所魔族の動きが活発になっていますからね…姫もお気を付けください。そういえば最近…(セリフかぶせるように)

友)こんにちは、遊びに来たよ♪アレンは見まわりお疲れ様。 ソフィー、今日は元気そうで良かったよ…この前風邪引いた時はどうしようかと思ったんだからね?

姫)レベッカいらっしゃい!待ってたのよ♪

主)やぁレベッカ、今日も来たのか?レベッカは本当に姫が好きなんだな。

友)当たり前だよ!ソフィーは私の全て!ソフィー無しじゃ生きていけないんだから!!!

主)相変わらずだな…(呆れて)

姫)で、今日は何処へ連れて行ってくれるの?

友)私のお気に入りの場所だよ。ちょっと歩くけど、花がとても綺麗なんだ。早く行こう♪

主)……あ、レベッカ、ちょっといいか?最近、郊外の森の辺りに魔族が出やすいんだ、近付かないようにな。姫様にも伝えておいてくれ。

友)分かったよ!任せて!じゃあ、ソフィーを追いかけるからまたね!

N)少し時間が立ち…

友)もうすぐだよ、ソフィー。だいぶ歩いてるけど疲れてない!?休憩する!?水飲む!?なんならおんぶしようか!?

姫)はぁ…はぁ…大丈夫よ…心配してくれて…ありがとう…レベッカはいつも私のことばかり気遣って…本当に心配性なんだから…

友)当たり前だよ。私はソフィーが大好きだからね!ほら、着いたよ。

姫)…素敵!こんなの見たことないわ!

N)そこには辺り一面に色とりどりの花畑が広がっていたのです。

姫)まさか…森にこんな場所があったなんて…!

N)その頃、騎士アレンは…

主)森でまた目撃情報があったから来てみたけど…特に何もなさそうだな…森の奥か?

姫)…きゃあ!!!

主)あれは姫の声!だが何故こんな所に!?とにかくすぐ行かねば!!!

N)アレンが走っていった先にあったのは、魔王と、捕まったソフィーと、傷付き倒れるレベッカの姿でした。

魔)ハハハ…ついに捕らえたぞ!この美しい姫を、妻として我が城へ迎え入れる!!ようやく我の悲願が叶うのだ!!!

主)待て!そのような身勝手な考えで姫を捕らえ、レベッカを傷付けた事、絶対に許さない!俺が相手だ!ハァッ!!

姫)やめて!私の為に争わないで!…私に出来る事……そうだわ!

魔)貴様は王国の騎士か、貴様如きに我が倒せるわけがなかろう!かかって来るがいい!!

N)何度も攻撃しますが、相手は魔王。こちらには無い魔術を使い、今まで騎士が100人がかりでも倒せたことはなく、アレンばかりが傷付いていきました。

主)くっ…このままでは姫が……姫!レベッカを連れ、俺の事を置いてお逃げください!ここは俺が食い止めます!!

姫)嫌です!アレンを置いて逃げるなんて、私には出来ませんわ!それに、もうすぐなの!もうすぐでアレが!!

主)アレ?って…まっ…まさか…!?(怯える)

魔)フハハハ!騎士と言えど、所詮はその程度か!まぁいい、貴様の頑張りを認め、我の最大魔術で葬ってやろ……なんだ!この鼻がひん曲がる臭いは!!!

姫)…ついに、ついに出来ましたわ!私の超大作!ブドウとラムネとくさやとトリカブトとブートジョロキアで出来たウエディングケーキ3段重ね!!!

N)なんと、出来上がったのは赤紫色をしてグツグツ泡立つ超特大ケーキでした。なお、材料は全て、ソフィーが持参していたものです。

主)さっ…さすがです姫君!これを食べればきっと魔王様もお喜びになり、静まるでしょう!

姫)そうですわね♡さぁ!遠慮せずにどうぞお召し上がりくださぁい!!!

N)そう言って目の色を変えたソフィーは思いっきりケーキを魔王に投げました。

魔)フガッ!?ひっ…ぎゃあああ!!辛い!臭い!不味すぎるぅぅぅぅ!?

N)顔面にケーキを喰らった魔王は叫びながら爆発し、跡形もなく塵となりました。

姫)ふう…やっぱりケーキを作ってよかったわ。私の料理を食べた人って、皆様失神するほど喜んで下さるけど、爆発するほど美味しいと表現して下さるなんて♡///照れてしまいますわ♡///

主)はぁ…はぁ…ご無事で何よりです、姫…(やっぱり姫の料理はバイオハザードだな…これで無自覚とは…)

姫)必死に守ってくれてありがとうアレン…そうだわっ!早くレベッカを治療しないと!!

主)はい!(…でも何故、近付かないように言った森に二人が…)

友)ソフィー、アレン、助かったんだね…本当に良かった…

N)そして三人は森を抜け、無事に城に帰ることができたのでした。レベッカの怪我も大したことはなく、一週間後にはまた平和な日々が訪れたのでした。


友)あーあ、せーっかくソフィーにも魔王にも取り入って、信頼を得て、計画通りあの花畑に連れていったっていうのに…アレンは来るわ、魔王は倒されるわで…計画が台無しじゃない!ソフィーがいなくなれば、アレンが私の物になったかもしれないのに!…また作戦を考えなくちゃ…フフフフフ…


N)…めでたしめでたし??

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