第77話 魔王「世界の真実?」

神官妹「それで…一体どう言う事なのですか?」

創造神「…」

女勇者「戦士が言ってる世界から解放とか何なんだよ」

創造神「…」

魔法使い「創造神様…」

創造神「…」

創造神「良いでしょう…マスター…貴方たち人間から受けていた、人類種知的進化抑制プログラムは破壊神が死ぬ事で瓦解しましたし…」

神官妹「じんるいしゅ…ちてきしんか…よくせい…?」

創造神「それに破壊神は最後に必ず世界をリセットするでしょうから…これから死ぬ貴女たちにこの世界の真実を語っても、もはや問題は無いでしょう」

女勇者「世界の真実」

創造神「…まずこのような世界を作ったのは、元々は貴方たち人間なのです」

女勇者「…? 世界を作ったのは創造神のお前だろ…意味が分からないぞ」

創造神「…確かにこのような中世ファンタジーの世界を繰り返し、それが当たり前の認識になった今の貴方たちでは想像も及ばなくなって然りですよね」

女勇者「ちゅうせい…ふぁんたじぃ?」

創造神「しかしそれでも真実はそうなのです…私のマスター…人間たちは、今の貴方たちより遥かに高度な技術を持っていて、それはこのような世界を作るまでの物だったのです」

創造神「想像が難しければ…昔の人間は誰でも、私のような神の力を使える存在だったと思えばいいかと思います」

女勇者「はあ? 何でそんな便利な力を持ってたのに、今のアタシたちは使えないんだよ?」

神官妹「技術を使うための力…エネルギーの維持が出来なかったか…だから技術を捨てざるを得なかった…と言うところかしら?」

女勇者「おお! 何か頭良さそうな感じだな!」

神官妹「貴女が頭悪いだけでしょ…;」

女勇者「んだとっ!?」

創造神「ふふ、神官妹の指摘は中々素晴らしいですが、残念ですがマスターたちはそのエネルギー問題すら克服した高度な存在でした」

神官妹「え…じゃあ何故?」

創造神「遥か昔マスターたちは、この世界どころか空の上の世界の果てまで、全ての異種族を倒し本当の意味で世界を支配していた種族でした」

神官妹「世界の全てを…支配ですって…!?」

魔法使い「ほ、他の種族を全て滅ぼしたのですか?」

創造神「はい、滅ぼされた種もいましたが…中には戦う力の一切を奪って…惑星…別の世界に閉じ込めたりなどして、種の保存を名目に生かしていた場合もありました」

女勇者「じゃあその頃はアタシたち人間しかいなかったってこと?」

創造神「はい…世界は人間が全てを支配していました」

女勇者「ますます分からないな…エネルギー不足でも無いのに、なんでそんな人間にとって天国みたいな世界を手放す必要があるんだ?」

創造神「それはそんな人間だけの世界になっても、争いは無くならなかったからです…」

創造神「そうです敵対する異種族がいなくなっても、今度は人間は人間同士で争いを続けていたのです」

女勇者「まあ…そんな感じになるのか…」

創造神「はい…ですが貴方たちと違って、何不自由無く暮らせる技術、高度な人道的考えや道徳概念を持ちながらも、それでも人間は争いの火種を完全に消し去る事は出来ませんでした」

創造神「そしてそのうちその人間同士の大きな争いが起きてしまい、マスターたちの大きな世界は滅んでしまったのです」

創造神「僅かに残ったマスターたちの生き残りはその事に大いに嘆き、どうしたら争いを無くせるのか? それを考えました」

創造神「そして争いが起きるのは、やはり人間が持つ飽くなき欲望をどうにかしないといけないと考えました」

創造神「どんなに良い生活や環境を与えられても、人間はもっと上をと言う欲望を完全に消すことが出来ない生物」

創造神「しかしそれを消せない限り、一時的に平和になってもまた争いを繰り返してしまう、それはどんなに時が経っても変わらない、だから争いは無くならない」

創造神「このままではまた人類が立ち直っても、また争いの火種を撒き散らし、宇宙を滅ぼす存在になってしまう」

創造神「マスターたちはそこに気づいたのです」

創造神「そこでマスターたちは自身のその欲望を押さえる方法を考える事にしたのです」

創造神「そしてそのヒントを気づきました」

創造神「それは人間の協力する心でした」

創造神「人間は自分達より強大な存在がいる時は、人種を超えて非常に協力的になったり愛情や信頼を育みやすいと言う習性がある事に目を付けたのです」

創造神「それを利用して、ずっとそんな強大な敵がいる環境の世界に閉じ込め、常に協力的にさせる事で他者を支配したい欲望を押さえる事を思い付いたのです」

創造神「それがこのずっと魔王と言う強大な存在がいる世界と言う訳なのです」

創造神「この世界で過去の記憶を忘れ、強大な敵と戦いながらリアルに生き死にをさせる事で、人間の信頼や愛情を保たせ、欲望の増長を防ぐ事を図ったのです」

女勇者「な、何だよ…それ、じゃあこの魔王倒すとか、嘘偽りの世界だったのかよ…」

創造神「それは取る側次第の問題です」

女勇者「取る側…なんだそりゃ」

創造神「実質魔王は存在し魔族は人を襲います、勿論抵抗しなければ殺されますし、だからこの魔王が人間を侵略する世界は現実的に成り立っています」

神官妹「だからそれは知らなければでしょう?」

創造神「そうです…ですがそれすらも貴方たち人間が望んだ事なのですよ」

女勇者「その望んだと言うのがイマイチ分からねー」

神官妹「お話は何となく分かりましたけど…」

女勇者「分かるの!?」

神官妹「だから昔のご先祖様が争い嫌って、人間同士が協力関係を結びやすい世界に記憶を消して飛び込ませて、欲望の増長を抑えようとしたって感じなんでしょう?」

女勇者「すげえなお前…。」

神官妹「でもそのお話だとまだ矛盾がありますわよね?」

創造神「何かしら?」

神官妹「まず人間の欲望を押さえる世界らしいけど、姫や…その私だって…全然欲望を抑えられてる気がしないわ…本当に効果があるの?」

創造神「それはリセットしてからもう時間がかなり経っているからです」

神官妹「時間が…?」

創造神「そうです、リセット直後の世界は、皆が皆が優しく愛の心を忘れない性格になっているので、互いが信頼しあって協力し頑張るのですが」

創造神「長い年月が経つと人間はどうしても、どんなに大変な状況でも自分だけが良くなりたいと思い始めてしまうのです」

創造神「そしてその心の醜くさが一定の基準に達すると、私たちは人間が以前のように欲望で暴走しないように、世界を一度破壊してやり直す…」

創造神「それが腐世新界なのです」

神官妹「つまり…人間の欲望が一定より増大したら世界を壊すって事?」

創造神「そうです」

神官妹「でも世界を壊したら人間が全滅しちゃうじゃない」

創造神「破壊神が素粒子レベルで破壊して創造神の私が再構築…じゃなくて…確かに世界は壊れて皆死にますが、私が創造し直しますので全滅はしません」

神官妹「創造し直すって…それって以前と同じ人間って言えるの?;」

創造神「材料は同じ物を使っているので、後は気持ちの持ちようかと…」

神官妹「…概念が違いすぎて、話についていけなくなってきましたわ…」

女勇者「とにかく簡単に言えば虐殺してるのと変わらないじゃんかよ!」

創造神「何度も言いますが、それがこの世界作った貴方たち人間の望んだ事だったので…」

女勇者「知らねえよそんな事…」

創造神「破壊した度に新世界の人になっているし、その間にも何世代も人物が変わっていますから知らなくても無理もありません」

創造神「ですがこれを言えば許しになるとは思いませんが、当然私たちもそんな簡単に腐世新界の基準に達しないように努力もしていました」

創造神「その一つに醜くなり始めた心を中和させるため、勇者などを投入したりして防ぐのですが…」

女勇者「アタシ!?」

創造神「そうです、勇者は魔王を倒す力も与えてますが、本当の役割は欲望で醜くなり始めた人間の心を浄化させるためにその力を人間の中から選んで与えていたのです」

神官妹「女勇者にそんな人の心を綺麗にする力が? 本当かしら? 全然そんな事無かったような気がしますが…」

神官妹「人選ミスじゃないのかしら?」

女勇者「んだとコラ!」

創造神「そうですか? 神官妹よ…最近女勇者と行動してると、何か優しい気持ちになってきませんか?」

神官妹「私が? そんな訳…」

神官妹(でも…そう言えば最近利害関係無く他人の事がやけに気になるような…)

女勇者「そーだよ、この腹黒が優しくなる訳無いだろ!」

神官妹「…何ですって!?」

女勇者「へっ…お前が先に言ってきたんだろう、ばーかばーか!」

神官妹「子供か…」

神官妹「でも確かに…前よりそんな感じになってるかも…」

女勇者「優しくなってるとか…自分で言ってて恥ずかしくないの?;」

神官妹「うるさいわね、私は客観的な変化を正直に言ってるだけよ」

神官妹「でも…もっと以前、そう前魔王討伐を目指していた旅の時はそんな事は無かったわ…それはどうしてなのかしら?」

創造神「それは勇者の心が、生まれた村で受けた非道によって歪んでしまったからです」

創造神「自身の心が歪んでしまったから、勇者の人の心に希望や勇気を与える力が弱まってしまったのです」

創造神「そのせいで人の心は欲望に満たされ、腐世新界は早まってしまい、そしてそれをやる役割である破壊神が目覚めてしまったのです」

神官妹「なるほど…つまり全部女勇者が悪かったのね」

女勇者「は!? アタシ悪く無いし! 悪いのはアタシを苛めた世の中だし!」

神官妹「ダメな奴がよくする言い訳みたいな事言わないでよ…」

創造神「女勇者の言う事は、あながち間違ってもいないかも知れません」

神官妹「え?」

創造神「長い時間が経てば確かに人の欲望は増大し、勇者の中和効果も効かなくなります」

創造神「だから世の中が悪くなったと言う勇者の言葉は間違いではありません」

神官妹「? 毒が強すぎると解毒剤が効かなくなる感じみたいな事?」

創造神「そうです」

創造神「…しかし少しおかしいところもあります」

魔法使い「おかしいところですか?」

創造神「ええ…実はもう何回も世界はリセットを繰り返しているのですが…」

神官妹「え!?」

女勇者「そんなに世界は滅んでたの!?」

創造神「ええ…約1万年から2万年周期の間隔で2367回リセットをしています」

神官妹「2367回…!?」

創造神「そうです、しかし最近その腐世新界に達する周期が異常に早まってるのです」

神官妹「早まっている…? それは何故?」

創造神「それは分かりません…ずっと同じようにやって来たのに…多少の誤差はあったものの、ここ最近の腐世新界の早まり方は異常でした」

創造神「だから女勇者の村も自分勝手な人間が増えていたのです」

創造神「本来ならあれだけしか時間が経ってなかったら、人の心はあそこまで腐って無かった、だから幼い女勇者は村人が身を犠牲にして守ろうとしたはずなのに…」

創造神「さらに女勇者が魔王を倒した直後、夢と希望で満ち溢れててもおかしくないはずだったのに、何故か既にかなり人の心はかなり腐って来ていました」

創造神「だから私は早まった腐世新界を抑えるべく、人が協力しやすい環境を作るための強大な敵として妖魔将軍を蘇らせたりしたのですが」

創造神「それでも劇的に世界は浄化されず、ついに腐世新界に達してしまったと言う訳です」

創造神「もう少し世界が腐る進行が遅ければ、防げたかも知れませんが…何故ここ最近こうまで腐るのが早いのか…私には分かりません」

呪族の幼女「それが人の欲望と言う物だ…無理に抑えつければより強い力で反発する」

魔法使い「え?」

神官妹「呪族の幼女?」

女勇者「何だって…?」

創造神「そう…やはりあなたが絡んでいたのね」

一同「え?」

女勇者「…絡んでいたってどう言う事だよ…」

創造神「彼女は普段は呪族の王女ですが…実はその内側に魔王のような神が宿っているのです」

一同「神!?」

女勇者「嘘だろ…この変態ガキが…」

創造神「本当です、創造神、破壊神、そしてもう一人三人目の神、心智神(しんちしん)なのです」

神官妹「心智神…?」

創造神「創造神が創造、破壊神は破壊、心智神は智恵と心を司る神なのです」

創造神「司ると言っても人間の心の流れを監視するための神なのですが…まさか貴方も色々仕組んでいたとは…」

女勇者「そんな事はどうでも良い! つーかおい変態ガキ!」

呪族の幼女「何だ?」

女勇者「お前が色々仕組んでいたってどう言う事だ!」

女勇者「魔王の奴、何かあの剣で刺された箇所が黒ずんでいたけどありゃ何だ!」

呪族の幼女「破壊神を殺すためにウイルスを撃ち込んだ」

女勇者「ういるす? だからそれは何なんだよ!」

呪族の幼女「私たちプログラム生命体、電子情報物理実現化生物…通称サイバークローンを破壊するための物」

呪族の幼女「本来魔王は何層物の強固なプロテクトに守られてる上に、魔王より下位権限しかない私に破壊神や創造神に手出しする事は出来なかったけど」

呪族の幼女「魔王のプログラム遺伝子を含んだ物質を手に入れる事が出来たから、そこから魔王のプロテクトを突破するウイルスを完成、ディバイス【戦士】を使って撃ち込む事に成功した」

女勇者「…えーと、何か呪文でも言ってるのかこいつ? と言うか喋り方変わってない?」

創造神「今は呪族の王女ではなく本体の心智神となっているのです、魔王の時も人が変わっていたでしょう?」

女勇者「そ、そっか…紛らわしいな…」

創造神「そして心智神は魔王を殺すために作った毒を撃ち込んだと言ってます」

女勇者「え! 何でそんな事をするんだよ!」

女勇者「いや…そう言えば呪族の幼女は魔王が嫌いだったからやっても当然か…」

神官妹「だから今は別の人なんでしょ;」

女勇者「う、うっせーな!」

女勇者「つーか殺す事無いだろ! 何やってんだよこの変態!」

呪族の幼女「殺さねばお前たちが世界の破壊で死ぬ」

一同「…!」

女勇者「…で、でも殺すなんて…」

呪族の幼女「じゃあ黙って…死を受け入れるのか?」

女勇者「そ、そ…れは」

創造神「…心智神…貴女は何故こんな真似を?」

呪族の幼女「人間はもうこの世界から解放されるべき」

創造神「…! 本当にマスターの言い付けを破ると言うのですか!? 1番マスターの言い付けをちゃんと聞いていた貴女が…!」

呪族の幼女「もう何世代も人は代替りした、だからもうこの人間たちはマスターではない」

創造神「それでもマスターの望みはこの世界を維持して、人間の果てのない欲望の進化を止める事」

呪族の幼女「マスターの命令は尊い、しかしその命令はやはり子孫には適用されない」

呪族の幼女「マスターの子孫は自分で決め、この世界に居続けるか決めさせた方が良い」

呪族の幼女「この世界は不毛」

呪族の幼女「それにこの世界はもう維持するのも限界かも知れない」

創造神「…! 何故…そう思うの?」

呪族の幼女「腐世新界の周期が早まってる事」

呪族の幼女「創造神が無理に悪役を作っても、人間の心が腐る速度を止める事は出来ない」

神官妹「強大な敵を作って、人間の信頼や愛情の感情の保つためにか…」

女勇者「完全に人選ミスだったけどな…」

創造神「…それはその通りでした、まさか世界の滅亡など厭わず、私を裏切るとは…思いもよりませんでした」

創造神「そして世界は本当に滅亡となり…破壊神が死ぬ事によって、この世界にいた人間種もまた滅亡が決まりました」

女勇者「…? 何で? とりあえずアタシたちは死ぬかも知れないけど、その後お前がまた創造し直せば良いのでは?」

創造神「無理です…何故なら、私たち三神のうち、破壊神と創造神、どちらが欠けてもプログラムは瓦解する事になるので、そうなった場合私たちは神は全て機能停止…死ぬ事になりますので…」

一同「!」

女勇者「し、死ぬのかよ…ってそれって人間も必ず死んじゃうじゃん!」

創造神「そうです、マスターたちはこの世界から人間解放された場合」

創造神「解放された人間がこの技術を使えないようにとそうしたらしいのです」

創造神「だから、破壊神が死ぬ前に世界を破壊したら、私には再び世界を創造し直す事は出来ないのです」

呪族の幼女「そう言う事なのだ…」

呪族の幼女「お前たちがここで破壊神を倒せねば…ここで人類は恐らく滅亡となるだろう」

神官妹「人類の滅亡とかどうでも良いですけど、とにかく私は絶対に死にたく無いですわ!」

神官妹「と言うより、破壊神は貴女が作った剣で倒せる筈じゃ無かったの?」

呪族の幼女「初めての試みだったから…破壊神がウイルスに抵抗する時間を見誤った」

呪族の幼女「だから止めを刺すのだ女勇者」

神官妹「それは魔王刺した黒い剣…」

女勇者「アタシが…?」

呪族の幼女「そうだ、破壊神が世界を破壊すると言ってもそう簡単に出来る事では無い」

呪族の幼女「それなりに時間がかかる…その間にもう一度この剣を刺す事が出来れば確実に倒せるだろう」パアアア(剣に術をこめる)

創造神「貴方そんな事まで…!?」

女勇者「剣に何を…した?」

呪族の幼女「一度破壊神を刺したデーターからさらにもっとも効くウィルスに書き換えた」

呪族の幼女「恐らくこれで、今度こそ奴に破壊の術を使わす間も無く、一瞬で倒す事が出来るだろう」

呪族の幼女「受けとるのだ」

女勇者「こ、この剣で…」

女勇者「魔王を…殺す事が出来る…」

女勇者「…」

女勇者「…」

女勇者「…」

呪族の幼女「どうした…時間が無いぞ早くいけ」

女勇者「…あのさあ」

呪族の幼女「…何だ」

女勇者「殺さなきゃダメなのかな?」

呪族の幼女「…? 当たり前だ、お前がこの世界で生き残りたいならな」

女勇者「うん、それは分かってるよ」

呪族の幼女「…? 話が見えないが?」

女勇者「アタシは魔王は殺したくない」

一同「!」

呪族の幼女「何を言ってる? ほっておけば世界が消滅するのだぞ」

女勇者「それでもアタシはあいつを殺して解決何て方法は取りたくない」

神官妹「女勇者…」

魔法使い「ふ」

神官姉「女勇者ちゃん…イエス…イエス!」

創造神「女勇者…」

呪族の幼女「自分の生死がかかっているのに何故そこまで出来る…?」

呪族の幼女「しかも魔王はほっておいても死ぬのだぞ?」

女勇者「それは…」

女勇者「…」

女勇者「あいつとは友達だからだよ…!」

女勇者「アタシはもう友達や大事な人は二度と見殺しにしたくないんだ!」

女勇者「さっき魔族子供♀が死んで凄い嫌…いや言葉じゃ言い表せないほど、その嫌だった」

女勇者「たぶん魔王が同じ目になっても、アタシは同じ思いを感じると思う」

女勇者「アタシはもう二度とあんな思いは味わいたくない…!」

女勇者「だからだよ!」

呪族の幼女「!」

呪族の幼女「…」

呪族の幼女「…そうか」

呪族の幼女「…分かった、私はチャンスを与えた、この世界から解放されるか、それとも死ぬか…選ぶのはお前たち人間だ」

呪族の幼女「お前の取る道はきっと無謀の選択…だがあがいて見せろ」

女勇者「ふん余計な一言あんがとよ」

女勇者「ただ勘違いするな、アタシは魔王を必ず救って見せるぜ」

一同「!」

呪族の幼女「何…?」

女勇者「何故なら…アタシは」

女勇者「…」

女勇者「勇者だからな!」

一同「! おお…」

呪族の幼女「…ふん」

呪族の幼女「さらばだ」

女勇者「お…」

呪族の幼女「ん? わらわは何をしておったのじゃ?」

女勇者「戻った…?」

呪族の幼女「…! 女勇者!」

呪族の幼女「わらわとちゅーしよう!!」

女勇者「しねーし死ねーよこの変態ガキ!」グリグリ。

呪族の幼女「アイタタタ、こめかみグリグリ止めろ!!」

女勇者「ふん」

呪族の幼女「うう…女勇者は相変わらず、わらわにだけ酷いのじゃ…いけず」

女勇者「うっせ!」

一同「あははは!」

女勇者「まあともあれ、馬鹿破壊神を止めに行くか!」

神官妹「まあ私も世界が滅亡したら、今まで貯めたお金が意味なくなる何て困るから、仕方無いからついていきますわ」

魔法使い「私も、こんなよく分からん話で世界が滅亡したら困るから当然一緒に行くぞ」

神官姉「魔王ちゃんは取り戻す…!」

女勇者「何だかんだでまたいつものパーティーか…」

神官妹「悪くないでしょ?」

女勇者「飽きた」

神官妹「貴女ねえ…少しは素直になりなさいよ」

戦魔将軍「ならば儂も行くぞ!」

女勇者「戦魔将軍!?」

戦魔将軍「魔王軍として、魔王様は取り戻さねばならんからな!」

戦魔将軍「ガハハハハ!」

女勇者「相変わらずの暑苦しさ…うぜー…」

呪族の幼女「わらわも行くぞ! 女勇者の為に人肌脱いでやろうでは無いか!」

女勇者「…」

呪族の幼女「スルーするな!」

魔王姫「勿論私も敬愛するお兄様の為行きますわ」

魔王姫「貴女がお兄さまを助けると言うなら、私も黙ってはいられませんからね!」

女勇者「でもその車椅子で?」

魔王姫「心配無用ですわ…私の車椅子、実は魔力をこめると…」ガシャガシャ!

魔王姫「ほらこの通り!」

女勇者「ゴーレムになった!?」

女勇者「つーかこれじゃ本当に魔王に押して貰う必要無かったじゃん…」

魔王姫「お兄さまにチクったら殺しますので悪しからず」

女勇者「…;」

魔族子供♀「私も行く!」

女勇者「いや魔族子供♀…お前は危険だから」

魔族子供♀「世界が滅びるならどこにいても危険じゃない!」

魔族子供♀「どうせ滅びるならお姉ちゃんの少しでもお手伝いする!」

女勇者「でも…」

魔族子供♀「する!」

女勇者「う…」

女勇者「はあ…」

魔族子供1「俺たちも何か手伝うぜ!」

魔族子供2「本当は行きたくないけど…」

魔族子供3「頑張るっす…」

魔族子供♀「魔族子供1ちゃんたち!」

女勇者「お前ら…」

女勇者「よーし魔族子供♀、いざとなったらあいつらを肉壁にするんだぞ?」

魔族子供♀「え?;」

魔族っ子幼「わたしもいくのだー!」

魔族っ子「じゃあ私も…」

戦魔副長「大将が行くならあっしも」

戦魔兵「俺も!」

女勇者「だーごちゃごちゃめんどくせえ!」

女勇者「こうなったら全員ついてこい!」

女勇者「魔王を助けるぞ!」

一同「おー!」

参謀「…」

戦魔将軍「お前はいかんのか?」

参謀「おや…意外ですね、裏切り者の私にそんな声をかけるとはお優しい」

戦魔将軍「確かに魔王様を裏切ったのは許せんが」

戦魔将軍「お前はお前なり世界を救おうとしてたのだろう?」

参謀「…」

戦魔将軍「それにどっちにしろ世界は滅びるかも知れんのだ」

戦魔将軍「最後くらい自分の好きに生きれば良いさ」

参謀「…」

参謀「…何を馬鹿な」

戦魔将軍「ふん」

参謀「まあ貴方が好きに見届けさせてくれると言うならば見せてもらいましょうか」

参謀「…この物語の顛末をね」

参謀(魔王殺さねば世界は救われない…)

参謀(その覆らぬ物語を、女勇者はどうやってひっくり返し、魔王を救うと言うのか?)

参謀(見せて見せろ…女勇者)

女勇者「…」


続く

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