第39話 魔王「勇者さんとメイドさんの関係?」
神官妹「 強くてどう考えても倒せない魔王を、女勇者が色仕掛で魔王に迫って油断させて、一緒に寝所で寝たところを聖剣でブスリよ! 分かった?」
女勇者「あ、ああ分かったよ、ふ、ふえ…くちゅん!」
女勇者「あのー魔王を誘惑するために、エロい衣装を着るのは分かったし納得したけど…」
女勇者「作戦決行まで元の服着てていい?」
女勇者「すーすーして寒いんだけど…」
神官妹「仕方ないわね…でも本番の時にそれぐらいの露出でもう恥ずかしがったりしないでよね」
女勇者「結局何もやらないお前にそう言う言われ方すると何だか腹立つな…」ジト目
神官妹「あら、だってしょうがないじゃない、私神官でふしだらな真似出来ないんだから」
女勇者「勇者はふしだらな真似して良いのかよ」
神官妹「恥辱の視線に耐え、自分をさらけ出すのもまた勇者的な行動よ」
女勇者「何か妙な説得力あるように感じるけど、やっぱ何かおかしいよな…」
神官妹「もうしつこいわねぇ…貴女がどんな恥辱に耐えても魔王を殺すと言ったのでしょ?」
女勇者「ぐ…それは、まあそうだけど」
神官妹「それともやっぱり魔王に怖気づいちゃったのかしら?」
女勇者「…! んな訳ねーだろ!」
女勇者「このアタシが魔族何かに負けるもんか! この世に生きている魔族は、ぜってーにアタシが全部生き地獄を味あわせてやる!!」
神官妹「それなら何なのよ…まさかあんたうちの変態姉みたいに、魔王が好きになっちゃったりしてないわよね?」
女勇者「…! てめえ…アタシが魔族を好きになるだと…」
女勇者「本気でそう思ってるのか? たったらてめーからその首はね飛ばして殺すぞ…?」
神官妹「…」
神官妹「…それならいいわ、うんそれでこそ女勇者よ。ごめん冗談のよ」
女勇者「ちっ!」
神官妹(魔族の事で煽れば上手く行くと思ったけど、ちょっとやり過ぎちゃったみたいね…怖かった;)
神官妹(しかし何で女勇者って魔族に憎悪を持っているのかしらね)
神官妹(まあ確か…故郷を魔族に滅ばされたらしいから怨みの一つや二つはあるとは思うけど…まあ他人の過去なんて興味ないからどうでも良いか)
メイド「あ、あの私そろそろ失礼させて頂きますね」
女勇者「…! 待ちな」
メイド「あ…女勇者様…な、何か?」
女勇者「言わなくても分かるだろ? ちょっと顔貸しな」
メイド「あ、あの…」
女勇者「あ?」
メイド「は、はい…かしこまりました」
女勇者「よし、んじゃ行くぞ」
神官妹「何よ、隠し事?」
女勇者「んなところだ…ぜってぇーついてくるなよ」
神官妹「貴女たちが何話そうと興味は無いわよ」
女勇者「ふん…」
メイド「失礼します…」
神官妹「…」
神官妹(ふむ…確かメイドって女勇者が妖魔将軍に攻め滅ぼされた街で助けた女の子だったわよね)
神官妹(以来何が気に入ったのか、ずっとお付きのメイドで使うようになってたけど…)
神官妹(今思うと何で助けた街娘一人にあそこまで執心してたのか不思議に感じるわね…)
神官妹(呪族の幼女に対する態度を見ていれば、女が好きって訳でも無そうだし、うーん謎だわ…)
神官妹(…ま、いっかメイドの小娘の一人や二人…気にすることでも無いか…)
神官妹(それよりも今は魔王と商人よ!)
~人気の無い空き部屋~
女勇者「…」
メイド「…」
女勇者「あのさ…」
メイド「…! は、はい」
女勇者「魔王と友達なったって…あれ嘘だよな?」
メイド「…えっと」
女勇者「どうなの?」
メイド「その…流れ…と言うか…」
女勇者「ふーん流れね…」
女勇者「友達って言うのはあいつの独りよがりで良いんだよね?」
メイド「そ…れは、その」
女勇者「…」ガン!(壁ドン)
メイド「…! ひっ!」
女勇者「おいおい…忘れたのかよ…おまえを拾ってやったのはアタシと同じ境遇だったからだぜ?」
女勇者「それを忘れて、魔族と友達だ?」
女勇者「お前あの時言ったよな? 魔族は一生許さない、死ぬまで怨み続けてやるって?」
メイド「は…い、言い…ました」
女勇者「だったら何で魔王と友達になる?」
メイド「…」
女勇者「…分かってる」
メイド「え?」
女勇者「お前はアタシのために魔王に探りをいれるため、嫌だけど友達になった? そうなんだろ?」
メイド「そ、そ…れは」
女勇者「そうなんだろ!?そうって言えよ…」
メイド「え?」
女勇者「そうって言えって言ってんだよっっっ!!」ドカ!
メイド「!」ビク
女勇者「アタシはアンタの怨みを晴らすために代わりに戦ってやってたんだ!!」
女勇者「戦えないアンタのためにさあああっっっ!!」
女勇者「そのアンタが魔族を今さら好きになるとか許されると思ってるのっっっ!?」
メイド「あ、の…」
女勇者「許されるの!? 許されないの!? どっちなのっっっ!!!?」
メイド「!」ビク
メイド「ゆ…され…ません」
女勇者「は? 聞こえない」
メイド「許され…ません」
女勇者「…」
女勇者「うん、それで良いんだよメイドちゃん♪」
女勇者「ごめんね? 大声出しちゃって、でもメイドがはっきりしないからいけないんだよ?」
メイド「いえ…こちらこそ失礼…しました」
女勇者「じゃあメイドは今後、魔王に近づいたら何か弱点を探しておいてくれ」
メイド「え? あの魔王様…女勇者様が弱点を探さなきゃいけないほど…力があるのですか?」
女勇者「あ…えーと、まあそこそこにな」
メイド「あの魔王様…凄いんですね」
女勇者「凄くない」
メイド「え?」
女勇者「ちっ、まあいいや、話はここまで、もう変な気を起こすんじゃないぞ」
女勇者「じゃあな」
メイド「…あ、あの」
女勇者「んあ? 何だよ」
メイド「そ、その、女勇者様自身はあの事で魔族は憎んで無いのですか?」
女勇者「…」
メイド「女勇者様?」
女勇者「はっ、ばっかじゃねーの? あいつらがあれで死んだのはザコカスだったからだけだろ?」
女勇者「それに元から好きでも嫌いでも無かったし、あれが殺されたところでムカつく理由なんて微塵も無いねー」
女勇者「だいたいアタシが強くなろうって思ったのだって、怨みからなんかじゃない」
女勇者「あの惨めに殺されたやつらみたいになりたくないから、強くなったんだ」
女勇者「ただそれだけ、まあっつー訳で、怨みなんか無いから、あばよ」ツカツカ。
メイド「勇者様…」
魔王(商人さんの話は素晴らしかったな…)
魔王(きっと商人さんの言う通りにしてれば、魔族と人間が共栄出きるぞ…)
魔王(でも何か難しい話をしてたら、眠くなって来ちゃったな…)
魔王「ふぁ~今日は早く寝よう…」
神官妹「魔王が来たわよ…」ヒソヒソ。
女勇者「あ、ああ…///」ヒソヒソ。
神官妹「どうしたの?早く行きなさいよ」ヒソヒソ。
女勇者「や、やっぱ普通の格好で良いんじゃ無いか?///」ヒソヒソ。
神官妹「何今更言ってるのよ…!」ヒソヒソ。
呪族の幼女「だいじょうぶぢゃ、ゆうちゃはかわいい!」ヒソヒソ。
神官妹「そうよ可愛い!」ヒソヒソ。
女勇者「や、止めろって…///」ヒソヒソ。
神官妹「可愛い! 可愛い!」ヒソヒソ。
呪族の幼女「かわいい! かわいい!」ヒソヒソ。
女勇者(何だよこれ…これから告白に行く女子みたいな流れじゃねーか)
女勇者(魔王に…告白)
女勇者(…! ち、ちがっ! そんなんじゃねーし!)
女勇者(何考えてんだアタシは…メイドにあんな事を言って…)
女勇者(いやいやいや…だからメイドは魔族に怨みがあるかもしれねーけど、アタシは無いし?)
女勇者(そっ、何んにもないしー? アタシが魔族にイラつくのはあくまで臭くて生理的に無理なだけって感じだから)
女勇者(アタシが魔族が嫌いなのは、それだけなのよ…)
女勇者(決して、家族やら友達が殺されたからなんて、くだらない理由でアタシは決して動いていない)
女勇者(そう…アタシは何にも気にしちゃいない…)
女勇者「…」
神官妹「…女勇者?」ヒソヒソ。
呪族の幼女「どうちた?」ヒソヒソ。
女勇者「…行ってくる」
神官妹「え、ええ…た、頼んだわよ」
呪族の幼女「…」
呪族の幼女(女勇者…やはり、この世で最後の美しき物だったか…)
呪族の幼女(かの日も本当に近いのかも知れん)
続く
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