第28話 そして日常へ…

 シズシズの就職が決まった。

 美魔女こと、『枇杷島びわじま 蝶代ちよ』 (年齢非公開)が勤務する派遣型風俗店で受付、兼ドライバーとして働くことになった。

 愛想のいい、どエムだ。嬢達にも、すぐ打ち解けるであろう。


 乱子は、昼職である銀行の窓口をしながら、夜は…まぁアレだ…趣味に没頭しているというか…ひけらかしてるというか…特に変わりはない。


 琵琶島びわじま 迦楼人かるとは、今の所おとなしく登校している。

 女子からはモテるが…性癖が…「キミのパンティを履かせてくれないか」

 そんなことを言いかねない…性癖核弾頭だ。


 枇杷島びわじま 蝶代ちよ、毎月の稼ぎは店内BEST3から落ちないようで、人気嬢らしい。バツいち独身だが…あの容姿に舐め好きという性癖が職業に一致して幸いであろう。


 そして…僕達は日常へ戻った。

 ご愛読ありがとうございました。



「終わらないけどね…最終回じゃないけどね…」


 そんなわけで…しばらくは何の変化も無い生活を送っていたわけだが…。

「おい…先輩、今日、家に遊びに行きたいんだが…」

「なんだいきなり?」

「ダメか?」

「いや…ダメってことはないんだが…華夜かよがいるんだよな~」

 華夜かよ(姉 19歳 JD)T159.B83(B).W58.H88 細長い美人、僕の姉だ。

「だからだ…だから行きたいんだ」

「へっ?お前…それはちょっと…なんか微妙だぞ」

「なんでだ?僕は…パンティを履きたいだけなんだ」

「うん…だからだ…」

「迷惑はかけない、なっ?頼む」

「うん…迷惑しか掛からないぞ」

「先輩…頼むよ…」

 膝から崩れ落ちる迦楼人かると…なんなんだろう、こいつの欲求は…。


 押し切られるかたちで、結局、僕の部屋に入ってきた迦楼人かると

「入れないと、勝手にお邪魔することになるぞ…僕は下着ドロボウにはなりたくないんだ」

(いっそのこと…そうしてくれ…)

「まだ帰ってきてないようだな」

「おかまいなく…勝手にくつろいでるから」

 そう言うと、迦楼人かると華夜かよの部屋へ向かっていった。

 すぐに戻ってくると…

「おい!鍵が掛かっているぞ!」

「あたりまえだろ…」

「なんてことだ…母様の部屋はいつも解放されているから…つい…はっ!風呂場はどこだ」

 駆けだして一階へ向かう。

 脱衣カゴに頭を突っ込むようにパンティを探す。

「おい…どっちだ…」

 戻った迦楼人かるとの両手には、薄いピンクに白い花柄のパンティと濃紺にイエローの刺繍が入ったパンティが握られている。

「知るか!」

「見覚えは?ないのか?大事な問題だぞ!」

 正直…身内の下着なんて興味が無い…できれば触りたくない…そう片方は母親のパンティだと推測できる…。

「じれったい…」

 迦楼人かるとが交互に匂いを嗅ぎ始める…。

(うわぁ…)

 身内のパンティを嗅いでる中学生が目の前にいる…美形なのに…美形なのに…残念な美形だ…。

「ピンクは…香水の香り…大人な女性の匂いがする…あんまり汗の香りはしないな~」

「紺色は…石鹸のような香りに…ほんのり鼻を突く匂いが混じってる…」

 クロッチの部分を撫でたり…嗅いだり…。

(あぁ…本物の変態だ…)


 ガチャッ!

 玄関のドアが開いた。

(マズイ…帰ってきた…)

 華夜かよが鼻歌まじり、ご機嫌である。

「ウ・ル・ト・ラ・ソウル!」

(Bz?…いまどき?)

 自室に入ると、すぐさま一階へ…。

「ロージア~愛したキミには~」

(LUNASEA?…幾つだよ…)


 ほどなくして、シャワーの水音が…。

「時は来た!ナウゲッタチャンス!」

 迦楼人かるとがパンティを握ったまま走り出す。

 バカまっしぐら!

 脱衣所のドアを勢いよく開けた。

「あっ?雪夜…姉ちゃんシャワーだから…気持ちは解るけど覗いたら殺す」

 擦りガラスの向こうで、細長い肢体が揺らめく…服を脱ぎだした迦楼人かると…。

 そして…脱ぎたてのオレンジのパンティを履きだす…。

(お姉さん…温もりを感じます…僕の、僕から…伝わる温もり…繋がってるよね…僕達…あぁ…そんなに締め付けないで…僕の僕が…そう…キミだけのモノだよ…)

 バタン…オレンジのパンティを履いたまま仰向けに倒れる迦楼人かると…。

 行先は…まぁ…解る…


 僕は…家を出た…しばらく街を歩いた…夕日が目に沁みる…訳も無く泣きたくなる…。


 家に帰ると…警察が…姉に事情聴取、真っ最中であった…。


 あの後…

 華夜かよの肢体をご堪能したまま…身体に戻ることを忘れてた迦楼人かると

 シャワールームから出てきた華夜かよに、しこたま踏みつけられた…。

 いい角度で踏み抜かれ、幽体離脱とは無関係に気を失った迦楼人かると

 警察へ通報され…警察が救急車を手配…。


 で現在に至る…。

「怖かった…」

 華夜かよ談。


 自由に成れた気がした15の夜…。

 盗んだパンツを履きこなす~行く先はお風呂の中~。

 クロッチ締め付けてくる…15の夜~。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る