009「妖精さん、豚のリア充さに嫉妬せり」

豚人間は、自慢気に、煩い鼻息とともに、自身が所属する群れの事を話し始めた。


「俺の群れなら、お嬢ちゃんを養えるブヒィー。

暮らしやすくて、食べ物も豊富ブヒィー」


『妖精さんを、女の子だと勘違いしているせいで、ペラペラ喋ってる……?』

『妖精さんは、存在そのものがハニートラップだった……?』

『恐ろしい子っ……!』

『魔性のショタっ……!』


「俺の群れの名前は、オッパイ党というブヒィー。

その名の通り、女性のオッパイを揉んだり、吸ったりする技術を修練する宗教団体ブヒィー。

貧乳の正しい揉み方、オッパイを大きくする方法なども日々、研究しているブヒィー。

お嬢ちゃんも、俺のオッパイ揉み揉みテクニックにかかれば、きっと惚れるに違いないブヒィー。

愛があれば分かり合えるに違いないブヒィー?」


「あ、うん……?」


『ちょwwwww』

『組織名まで、下半身の欲望に従ったまま付けるなよwww』

『妖精さんが思考停止してるwwww』


「チッパイも、デカパイも平等に揉んできたブヒィー。

俺達はそうやって、平和に暮らしながら数を増やしてきたブヒィー」


『拉致ってレイプしているのに平和とか、言ってるぞ、この豚』

『レイプが日常なんだろう』

『やっぱり駆除しなきゃっ……!』

『一匹残らず駆逐したいですっ……!』


「でも、一ヶ月前に、オッパイ党で異変が生じたブヒィー

聞きたいブヒィ?」


「あ、うん?」


会話をしている内に、シルバーは、頭が痛くなってきた。

エロ・マシンガントークに慣れてないピュアボーイだからだ。


『絶句している妖精さん、可愛いwww』

『妖精さんは童貞だと、ハッキリ分かんだね』


「ブヒヒヒヒッ!お嬢ちゃんのために話してあげるブヒィ!

あれはそう、一か月前だったブヒィ。

素晴らしいオッパイを持つ金髪エルフ娘のエルフィンちゃんを俺が誘拐……じゃなくて、情熱的な恋愛をした末に、ダブルっ!ズッコンパッコンしてお嫁さんにしたら、その娘をめぐって群れで争いが起きたブヒィ」


『お、これ素晴らしい情報なんじゃっ……?』

『もっと尋問を続けるのです、妖精さん』


「えと……争いの結果、どうなったんだ?」


「俺の話をまず聞くブヒィ。

さすがにオッパイ党も、同胞が600匹に増えると問題が出てきたブヒィ。

可愛いエルフィンちゃんを交代順番に愛しても、自分の番が回ってくるまで時間がかかって大変ブヒィ。

おかげで不満に持った連中が出てきたブヒィ」


『エルフ娘、今頃、病気持ちになってるんじゃ……?そんなに大勢の豚に犯されたら死ぬぞ……』

『妖精さん、この豚を屠殺するのです』

『君はオッパイ王の前にいるのだ』


「一週間くらい前に、女性をペロペロ舐める事に夢中になった、変態集団200匹がクーデターを起こして、ペロペロ党を結成したブヒィ。

お嫁さんの半分を持ち逃げして、近くの洞窟に拠点を構えて、もう戦争寸前ブヒィー。

幸いエルフィンちゃんの持ち逃げを阻止できて、助かったブヒィー。

やっぱりお嫁さんにするなら、エルフ娘が一番だと思うブヒィ。

何時までも若くて、病気になり辛くて健康ブヒィー」


『エロい事しか考えてないだとっ……!?』

『妖精さん、こいつら一度に何匹くらい生まれるか聞いてくれ』


さすがのシルバーも、尋問するのが嫌になってきたが、圧倒的物量を覆すために必要な行為だと割り切る事にした。


「お、お前らは、女性とエッチィ事すると、一度に何匹産まれるんだ?」


「孕ませてから、一か月くらいで5~10匹ほど同胞が産まれるブヒィ。

お嬢ちゃんも、俺の子供を孕んでくれるブヒィ?

子供はたくさん居た方が、群れが繁栄して良いブヒィー」


『下半身に、脳みそが生えているような生物だなwww』

『ダメだこいつ、エロい事しか考えてない』

『増えすぎだろ……人類よりチートしゅぎる……』


「……ど、どうやって、食料を確保しているんだ?

そんなに短期間に増えたら、群れが自滅しないか?」


「イーモっていう簡単に生えてくる芋があるブヒィ。

適当に地面に、イーモの枝を刺すと、一か月後には作物がなっているブヒィ。

だから俺たちは、森中に、枝を刺して、適当に育った作物だけ収穫すれば生活できるブヒィ。

これが本当の贅沢という奴に違いないブヒィー」


『ちょwwwwwなにそのチート植物wwww』

『森で作物を育てたら、野生動物が食べるだろwwwwありえんwww』

『いや、アフリカ大陸にも、似たような芋があったような……?』


「これがイーモブヒィ。食べるブヒィ?

美味しいブヒィ」


豚人間が、近くに実っていた紫色の芋を掴みとり、それを天高く掲げた。

大きな大きな芋だ。ボリュームたっぷりで美味しそう。


(……森の中に、食べ物がたくさんあるのか。

なるほど、豚人間が大量繁殖するのに向いている土地なんだな、ここ)


「降りてきて、一緒にイーモを食べるブヒィ。

お互いに食事して、分かり合うブヒィ。

争いは悲劇しか産まないブヒィー。

お嬢ちゃんもそう思うブヒィ?」


豚人間は、人懐っこい顔になって、イモを食べるように催促してくる。

だが、森の中に入ったら、シルバーはその機動性を発揮できない。

わざわざ、自分から不利な場所へと行くはずがなかった。


『ちょい待て、これは孔明の罠だ、妖精さん』

『きっと、毒入ってるぞ。

森に植えても、野生動物に荒らされずに収穫できるって事は……豚人間以外には猛毒なんじゃね?』


「……おい、それ、毒だったりするのか?」


「ぶ、ブヒィ?

そ、そんな事はないブヒィ!

身体が少し痺れる程度ブヒィ!

粉々にして、水で毒の成分を落とせば、パンにして食べる事ができるブヒィ!

決して、痺れさせた後に、子作りしようなんて思っていないブヒィ!」


『語るに落ちてるwwww』

『嘘が付けない所がなんか可愛いwww』


「はぁ……お前ら以外に、豚人間の群れはいるのか?」


「たくさんあるブヒィ。

山の向こうに、数えきれないくらい豚人間の国があるって、ボスが言っていたブヒィ。

亜人を全滅させると滅亡するから、亜人牧場作って工夫して、女性が全滅しないように苦労しているらしいブヒィ。

ボスが、東の国出身ブヒィ。

俺たちは、女性を孕ませても、男しか産まれない呪われた種族ブヒィ」


『ひでぇ』

『女の子が家畜扱いとか、なにそれ酷い』

『ちょwww豚人間、男しか生まれないのかwww』


「よし、次で最後の質問だ」


この言葉をシルバーが言った瞬間、豚人間の顔は安堵した。

会話している間に、シルバーと仲良くなった。そう勘違いしたようだ。


「……エルフ娘の巨乳はどうだった?」


「おっぱいが吸い付くように柔らかくて最高だったブヒィ。

揉みがいあるブヒィ。きっと元気な同胞が産まれるブヒィ」


『羨ましい』

『俺もエルフ娘のオッパイ揉みたい』


「エルフ娘は妊娠した?」


『最後の質問なのにwwwまた質問してるwwww』

『妖精さん、質問する度に、質問する内容が増えておりますぞ!』


「なかなか、孕まなかったブヒィ。

皆で代わりばんこに、子作りしているブヒィ。

俺もたくさんエルフィンちゃんを愛して、たっぷりしっぽり気持ちよくしてあげたブヒィ。

お嬢ちゃんも、俺と子作りしないブヒィ?」


「お、お前らの群れは、どこにある?」


『この妖精さんも駄目だっ……全然約束守ってないっ……』

『豚と交わした約束は、守らない派だな』



~~~~

オッパイ党の拠点、ペロペロ党の拠点。それらの情報を一通り、聴き終えたシルバーは、地上にいる豚人間に別れを告げた。


「よし、死ね。話を聞いたからには用済みだ!このエロ豚野郎!」


「ぶ、ブヒィ!?」


『用済みだから殺処分』

『どっちが悪党なんだ、これ』


シルバーは許せなかった。

女の子を大勢で犯して蹂躙する豚の存在が。

しかも、♀が生まれないから、必然的に亜人牧場を経営する必要がある生態が許せなかった。

ゴキブリみたいな、おぞましい繁殖力に嫌悪する。


「ま、待つブヒィ!

お、俺は平和的に美少女や美女を愛しているだけブヒィ!

エッチィ事以外は、何もしていないブヒィ!

近くの村にも手を出していないブヒィ!

女の子を十人ほどお嫁さんにしただけブヒィー!」


「どっちにしろ、お前を通して、俺の情報が流れるかも知れないし、ダメだ。

それに、女性はそんなにたくさんエッチィ事すると病気になるんだぞ!」


「だ、大丈夫ぶひぃー!

俺達の子種は、完全健康栄養商品だと言われているブヒィー!

毎日、お嫁さん達にたくさん飲ませているから、むしろ健康になっているブヒィー!」


『ひでぇぇwwwww』

『ちょwwwwそんなに酷い事もしているのかよwwww』

『子種ゴックンとかwwww』


「次は、お前がエルフ娘に生まれてこい。

話はそれからだ」


そう言って、シルバーはネット通販で破片手榴弾を購入。

安全ピンを抜いて、豚人間めがけて、軽く放り投げた。


「や、約束が違う、ぶ、ブヒィー!」


『リア充に嫉妬して爆殺する図』

『嫉妬は見苦しいですよ!妖精さん!』


豚人間の近くで手榴弾が炸裂。膨大な破片がその身体をズタズタに切り裂き、出血多量死させる。

その死骸を見たシルバーは、憂鬱そうに呟く。


「600匹の豚……どうしよう。

俺、地球に帰りたい……。

なんだよ、豚人間って、数多すぎだろ……。

アメリカ軍とか、中国軍の助けが欲しい……物量違いすぎるだろ……」


『ヘタレちゃ駄目だ!諦めちゃ駄目だ!』

『格好よく、豚を殺処分した後がコレとかwwwww』

『やっぱり戦争は数ですよ!妖精さん!』

『ヘタレ妖精wwwwww』




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9話

★破片手榴弾 100円


100円消費 

残金2万1900円 ⇒2万1800円


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アフリカの中古市場「自動小銃の新品で5000円、中古なら500円ですが何か!

世界中から、やすい兵器が流れ込んでますよ!」


作者「やべぇ、日本円の価値高すぎて、作中の難易度が低くなってまうから、相場より高い値段にしよう、うん」


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(´・ω・`)主人公が今まで購入したアイテムは、こっちに全部纏めた。

http://suliruku.futene.net/Z_saku_Syousetu/Tyouhen/Neltuto_tuuhan/Aitemu.html

【小説家になろう】「皆の好きな内政物を紹介して!」

http://suliruku.blogspot.jp/2016/05/blog-post_99.html


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