TAKE:3

もう、駅の方じゃないか。

まだキミと別れたくない。

帰るのはまだ早いよ。


ねえ

…え?


こ、

こここ、ここは…?


ちょ、ちょっと、

ぼっぼぼ僕らには、

その、まだ、

ごくり、

はっ早いんじゃないか…?


せ、制服だしさっ…


ちょ、袖引っ張らないでよ。

あ…


へ、へえ。

な、中ってこんな風になってんだ…


ここで、ごくり、部屋を選ぶの?

あ?

お金?

あんまし無いけど…

んん~…、

…CD買う予定だったけど…




…何事も経験だよね~へ、へへ。


二階か、ええと201ね。


うひひっ。

…おっといけね、平常心、平常心…


コンコン、入りま~す、なんちゃって。

うわあ…ミラーボールがある…

ん?ベッドが丸いぞ?なんで?


や、やべ、ドキドキしてきた…



お、俺は、

これから、

大人の階段を、

登るのか…



あっ、

あれ?

あのコが?


ドコ行ったの?

ドコに消えたのよ?


ま、まさか、

この展開は…



美人局!?


どこからかヤクザ風な男が出てきて『ワシの女に手出しやがって』的なコトを言われて脅されて…


絶対、そういうオチだ!

だいたい初めっからおかしかったんだ!

いきなり今日知り合ったコとこんなトコに来てるって変だよ!


ややや、やばいぞ僕…

どうするどうする…?



…ん?

シャワーの音?


あ、な~んだ良かった~ふう。

美人局じゃなかったんだ…



って!

落ちつけ僕。

あんなカワイイコが!

ドア一枚隔てた所で!

生まれたての姿でいるのか!



お、落ちつけ。

頼む。

落ちついてくれよボク

ドキドキがムネムネでガクガクがアシアシ、

おまけにイソイソが

あ、やばい。

シャワーの音がやんだ。

出てきちゃうよ、あのコ。



……

ゴ、ゴホン。

は、早かったね、

ほほほ、ほら、タオル。

え?

こっち向けって?

ややや、あっ、僕も先にシャワーに。



ふう。

なんか、緊張しすぎて駄目だ。

いっぱいいっぱいだ、僕…

今もまともにあのコを見れなかったし。


……よし。


冷静になるんだ。


ドギマギして、あのコに恥ずかしいトコを見せる様な事はすまい。


うん。


僕は男だ。


堂々と行くべきだ。


羞恥心を捨て、

全てをさらけ出して、

堂々と彼女を…



…それが僕の務めだ。




お、お待たせ…


へへ…


キミ、本当にいいのかい…?


僕、これからキミを、


いただいてしまってもかまわないのでよろしかったでしょうか?


大丈夫、優しくしてさしあげてたてまつりそうろ…


え?こっちのセリフだって?


う、うん…


初めて…なの。


優しくして…ね?



じゃ、じゃあ、そのバスタオル…

取りなよ…



うふふ…



行くよ…


キミの待つベッドの元うわああああああああああ!



ゆっ、

床が!


おっ!

落ちてる!


わわわ、なになに!?

落とし穴!?

なに!?ドッキリ!?

うお、うおおお、

おっお落ちていく!、

地面に

激突するッ


うおおおおおおお


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