義妹と上手に話せない。

国会前火炎瓶

義妹と上手に話せない、その理由

 義妹と上手に話せない。いつ頃から上手く話せなくなったのか、そんなことも分からない。気がついたら、一日に、一言も交わせば良い、と言うような状況に陥ってしまった。

 義妹の名前はアキと言って、背丈は小さく、髪の長い、実に可愛らしい女の子である。この子は、僕の父が死んでから三年目に、母が突然連れて来た無口な大男、現在の義父、の連れ子である。気がついたら、家族になっていた、そんな有様であったが、それでも最初の頃はきちんと会話を営めていたように思える。

 何故そのようになってしまったか、その理由ははっきりしている。ひとえに僕のとある感情が原因である。簡単に言ってしまえば、僕は彼女を女として、見てしまっているのだ。気持ち悪いことだろうと、自分でも思う。しかし、そう見てしまっていることをどうしても変えられない。何度自分に、彼女はもう家族だ、と言い聞かせてみても、いつの間にか芽生えた恋心が枯れる様子はない。むしろ、日に日に強くなっているような気がする。下手をすれば、許されざるこの感情が彼女に透けてしまいそうで、ついには僕は、彼女と日常会話をこなすことすら困難になってしまった。

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