第163話:歳月
牟田の死体が転がる。
「おいおい、嘘だろ。こんな餓鬼にお前がやられるとは」
「後はお前ひとりのようだな」
金成は入道を指さし、宣言した。
「王最強の盾4人とも俺がこの手で始末する」
「鳳凰、牟田、昴流、この3名を殺したことは感服する。だがな、俺はお前にはやられぬ。全ての歳月に於いてお前のような小僧にやられることは俺の恥。とてもじゃないが自殺レベル」
「プライドの高い奴が王最強の盾にいたものだな」
歳月は全てを物語っていた。年功序列がなくなってはいたものの、目上を敬う気持ちというものは新入社員にはなくてはならない存在であった。
だが、近年は年齢によって罰則があったりなかったりする。ひどい話があった。
「また女子高生にわいせつにスマホで撮影。こんなニュースばっかで、この警察という人時はどこから出てきてるのかね?仮に100人出動したとして1時間で100時間の労働時間、5時間なら500時間の労働時間分の給料誰が支払ってるんかね?おかしな世の中だよな」
金成は入道を煽った。
「そんなもん、女子高生にわいせつをしようとした男が悪いじゃろが」
入道も反発する。
「まあそうだな、だが女子高生には何の罰則もない。歳月というものは残酷だな。同じ罪でも、罪に問われるものとそうでないものがある。まあ勿論さ、子供ならしょうがないよ。子供ならな。でも大人の行動をしているのに、子供も糞もなくね?これが小学生ならまだわかるさ。13歳未満ならな。でもこいつどう考えても17歳、俺とあんま年齢変わらねえじゃん?俺そんな援助交際とかしてみたいと考えたことないぜ?判断能力なら十分あるが?」
「貧しい生活をしてみたらわかる。金が必要なこともある」
「貧しい生活?こいつ貧しい生活装って、相手を陥れていて何とも思ってないぜ。この手の事件は買う奴だけがいなくなればいいってもんじゃねえぜ。売るやつもいなくならなきゃな。だから俺が王になったらこいつらいらねえから全員死刑にしても構わねえぜ。まあそこまではやりすぎだが、せめてよ。二人とも罰金刑か監獄だな」
「金成、随分と意見が変わったな。以前痴漢に対しては相手の女側に対して批判したりもしてたが、今回は両方とも裁くんだな」
「まあそうなるな。今回の事件は一方的ではなく、同罪なんだからな。お互い納得し合った上に犯罪行為。女子高生は何故か被害者ぶってるが、男一人を陥れてこれで被害者ブルのは妙な世界だ。強姦ならわかるが和姦は見逃せなくてな。こんなくだらない世界に興味はない」
金成が入道を睨みつけた。
「俺が全てを壊してやるよ。くだらない秩序をな」
「その前に俺の能力の前にお前を壊してやるよ」
入道がブレイクをした。
スキルマスター発動:アリストテレス
能力を弾き飛ばす。
スキルマスター発動:ライジングサンダー
雷の能力を使った。
しかし入道は全身にブレイクを覆う。迂闊に手を出せない。
「その自信満々な面に一撃入れてやるよ」
「やれるものならな」
「あっそ」
金成は渾身の一撃を入道の顔面に入れた。入道はそのまま吹き飛ばされ、鼻から多量出血を起こした。
同時に金成も右腕が複雑骨折し、骨がバキバキに折れた。
互いに致命傷を負ったが、
スキルマスター発動:フェニックス
「俺とお前とじゃ既に格が違う」
既に金成はその場を制していたのだ。
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