第151話:税金狂想

 俺はある夢を見た。

東京国の王国制度にはこんな奴らが身近にいたんだなということを知り、日本国全土に滅亡を感じた。

 王国や政治家たちが自分達だけに都合の良い社会を創り出し、若者から搾取するためだけに存在していた老害どもがただ有利になるだけの国民選挙など狂気の沙汰にしかならない。

 いっても社会にはただただ子供を作らず、子供を作る者は金髪ヤンキーカップルのみでその子供は16歳になると無免許運転でひき逃げをする、ただの殺人鬼にしかならないことも少なくはない。(ニュース見る限り)


 そんな中で我々国民は戦国時代と変わらずの国家に納めなければいけないものが存在していた。

 それは「納税義務」云わば税金狂想と言われるやつである。

夢の話は突然税金が人間に成り代わり、10年後の27歳の俺を襲ってきた。


27歳社会人金成「よっしゃ今月総支給額30万超えた!ひゃほぉおおお」


 しかしそれはただの幻想で、現実は以下の取り立てが存在していた。


健康保険君「やあ金成君、30万円貰えたみたいだね。ちょっと僕に1万5千円ほどわけてくれる?」

金成「え?嫌ンゴ!せっかく俺が汗水流して稼いだお金なんでお前らにやらないけんの?」

健康保険君「いいからいいから^^それだけ貰えてるんだからちょっとちょうだい」

金成「仕方ないンゴねぇ…」

 ただ支払うしかないのだろうか。まだまだ続く。


厚生年金君「お!ちょっとちょっと俺にもそのお金分けてくれよ!とりあえず3万円でいいよ!」

金成「ええ…誰あんた…どうせ年金払っても俺らの代では貰えないんでしょ?」

厚生年金君「そんなことないよ!てかまあそうかもだけどwwwでも政治家達がそういった東京国を幸せの国にするために収めてもらうしかないんだから仕方ないだろ!」

金成「はあ…どんどん給料が下がっていく…なんなんだろこれ。俺に何かメリットあるんかな?」


労働組合君「やあ僕は君の労働を保障しているよ!とりあえず2千円くれ!」

金成「はいはい…」


住民税君「やあ金成君、君は今東京の東区に住んでるね!よかったら僕に1万5千円ほどくれないか?」

金成「住んでるだけでそんなに持ってかれるのか…嫌ンゴねぇ…」


所得税君「おぉ!君は総支給額30万円か!」

金成「いやそのはずなんだけど、さっきから出費が凄くて…」

所得税君「いやいやそんなの関係ないよ!君が30万稼いだ事実だけを僕は知りたいんだ!というわけで8千円貰っていくね!」

金成「うぅ…」


 その時に気付いたのだ。総支給額30万円が一気に手取りでいう23万円になっていたことに…。

「これ以上はもうお金が無くなることはないだろう。あとは自分の貯金にでも回すか」

 しかしまだまだ来客が多いのが東京国の特徴であった。


携帯料君「やっほー!今月も引き落としの時期だよ!君今月はパケットいっぱい使ったからとりあえず1万ね☆てへぺろ」

金成「うぅ…まあ使いたいもの使ったから仕方ないか」

 残り220,000円。


水道光熱費君「俺達3人できたよ!とりえあえず一人暮らしみたいだけどもらってくね!えっと水道2,000円、電気代3,500円、ガスは…ああ~この時期寒いもんな!5,000円だ!合わせて1万500円ね!」

 残り209,500円。


家賃君「ここで俺の登場!俺は結構食いしん坊だからな!1ヶ月住ませてやるだけで結構もっていくからな!えっと、家賃にして5万円だ!」

金成「たけえよ!」

家賃君「何を言っておる!?結婚して2LDK都内に住んだら7万とか余裕だぜwww安いもんだろ5万とか!!」

金成「もう払いたくない…」

家賃君「うるせえ!滞納するなら延滞料もらうでしまいに!」

金成「ぐぬぬ…」

 残り159,500円。


 さすがにもう大丈夫!もう大丈夫!ある程度生活の全般から費用は削ぎ落した!ならばこれが真の給与だ!手取りだ!もう後は自分にお金を使えるはず!

 そう思っていた矢先に玄関のチャイムがなった。


ピンポーン

金成「はい」

ガチャッ

NFK受信料君「こんにちは~NFKです。玄関先までお越しください」

金成「何か用?」

NFK受信料君「おたくテレビありますよね?3千円毎月払ってくださいよ。先月憲法改正で合憲になったのご存知?払うのは国民の義務なのですよ!」

金成「…」

 残り156,500円。


「う~ん、税金だけでだいぶ持ってかれたのに、なんでこんなにお金がかかるんだろう?何かがおかしい!」

 紐解いていくとそこには衝撃の真実が!


60歳以上貰える年金総支給額20万!働かなくても貰える!

生活保護費26万円!働いたら負け!


老人「いや~今月も海外旅行に行ってきて夫婦で20万も使っちまったよ!もちろん政治家から貰ったお金で!」

生活保護者「生活保護26万じゃ全然生活できないじゃないの!もっと母子加算増やしなさいよ!餓死するわよ!」

 その者は半額の黒毛和牛を食べながらそう憤っていた。

どっかの主婦「子育て支援給付金増やしなさいよ!あと保育や大学無償化も!」

 貰った金でホスト、FX、パチンコ三昧。


金成「ええええ!?なんだこれ東京国どないなっとん!?」

所得税君「金成君!このままでは国が破産する!消費税8%じゃ足りない!10%にしたいんだがいいかな?」

金成「ええ!こいつらなんとかしろよ!」

所得税君「そんなに興奮しないでくださいよ笑笑笑」


彼女さん「男が奢るのは当たり前だよね?というわけで会計宜しく!☆」


上司君「駅前に飲みに行くぞ!全員参加な!一人4000円な!」


車検君「2年に1回は道路設備など兼ね備えていますので~とりえあえず8万円程宜しくニキ~」


環境整備君「将来的にはやはり環境も大事!集金するで!」


青十字君「募金活動にご協力を!!!恵まれない子に!!!」


生命保険君「保険は大事!年会費で13万ぐらいでいいから!年末調整するから!」


株取引君「やはりつみたてNISAはやるべきですよ!まあ分離課税で20%貰いますけど!」


仮想通貨君「まだ法整備整ってないけど、多く貰ったら稼いだ金額の50%もらいまっせ」


銀行君「うちに半年お金預かってくれたら利息つくで!100万円預けてくれたら半年後に200円あげるからうちに預けてーな!」


 いい加減にしろ!!!!


 金成は意識を取り戻した。

目の前には王最強の盾昴流、そして入道がいる。

「彼、意識を戻したみたいだね」

「やはり幻術では意味がないのではないだろうかな。絶望を与えるには」

「そうだね、恐怖が必要だね。本物の、痛みを伴う」

「俺が王になったら…介護施設と生活保護制度は撤廃してやる!生産性なきものには去ってもらう!それだけだ」

「政治家達がそれを許すだろうかね?」

「従わせるさ。この世は弱肉強食。国が衰退するぐらいであれば、未来につなげる為に犠牲はつきものだろう」

「まあその夢を叶えるためには、まず俺達をなんとかしないとね」

 王最強の盾3名VS応対も時は金成の戦いが始まる。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る