小さな体を抱きしめてⅠ
ぴちゃ…と水音が響き、キュリオの周りを波紋が広がっている。子供を手放さなくてはいけないほど国は傾いていない。それどころか国も人々の心も潤い、捨て子などしばらく出なかったほどだ。城にある孤児院などは両親に先立たれた子供など、そのような境遇の者たちしかいない。
何も知らぬであろうこの純粋無垢な赤ん坊が不憫でならないキュリオは、その小さな体をそっと抱きしめた。すると、腕の中の彼女の手が不安そうにキュリオの胸元に触れる。
「何も心配はいらないよ、私が傍にいる…」
赤ん坊の不安を全身で受け止めるようにキュリオはその腕に力を込めた―――――
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます